職場のストレスと一括りに言ってもその原因となる課題は多様なはずだ。研究開発を行うセクションとコールセンターでは仕事の環境は違うだろうし、細かい部品を組み立てる仕事と専ら企画を立てる仕事の職場環境に求められるニーズが全く同じであるはずがない。

ソフトバンク・テクノロジー、ダイキン工業、青山キャピタルの3社は、IoTを用いて職種や職場環境と人によるストレス関係性を探る実証実験プロジェクトを7月から開始する。プロジェクトはクリップ状のIoTデバイスをベルトに装着し、多様な職場で働くモニターの心拍情報や睡眠情報などの生体情報をリアルタイムに計測し、クラウド上で分析することで職場環境とストレスの相関を明らかにしていくという試み。一括りで語られがちな職種の異なる職場でのストレス研究が期待される。

発表資料より

ソフトバンク・テクノロジーは生体情報を蓄積・分析するクラウドプラットフォームの提供、青山商事の子会社である青山キャピタルは衣料品業界ネットワークを活用した多様な職種からのモニターの獲得、ダイキン工業は、同社のテクノロジー・イノベーションセンターが独自のバイタルセンシング技術「Airitmo(エアリトモ)」を使ったベルト装着型IoTデバイスの開発を行う。Airitmoは、心臓の動きに伴うわずかな体の振動を測定し、負担をかけずに心拍や呼吸など生体情報を測定するセンシング技術で、身体活動量、心拍情報、心拍間隔のゆらぎを分析するストレス度、睡眠情報を計測できる。

ダイキン工業 テクノロジー・イノベーションセンターは、ストレス度に応じた空調の自動制御や生産性向上を目指せるオフィス空間の創造、ソフトバンク・テクノロジーは生体情報の蓄積結果の可視化が可能なクラウドプラットフォームやAzureとARMのハードウェア/ソフトウェア環境を使ったIoTデバイス管理や制御ソフトのセキュアな更新、青山キャピタルでは、ビジネスパースンにファッションと健康を組み合わせたヘルスケアサービスと、3社は実証実験を通じてそれぞれ新たな価値創造を目指す。