ラックは12月14日に、サイバー犯罪に対する対策を強化するため、鹿児島大学および鹿児島県警と、サイバーセキュリティに関する情報共有、技術協力、人材育成と交流、広報啓発活動の分野で、産学官連携協定を締結したことを発表した。

連携の概要

2016年3月に警察庁が発表した広報資料「平成27年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢について」において示されるように、サイバー空間における犯罪の増加傾向は続いており、標的型の攻撃や不正侵入、不正送金などの被害が拡大し、その手口の高度化・巧妙化が懸念されている。

この傾向は地方においても同様に懸念されており、インターネットを介したサイバー犯罪が地理的な制約を受けないことから、都市部に比べサイバー犯罪に対する認知度が低い地方においては、課題となっているという。

ラックと鹿児島大学、鹿児島県警は、サイバー空間の脅威に対して、情報共有、技術協力、人材育成と交流、そして広報啓発活動について相互連携することで、サイバー空間の安心・安全を確保するための取り組みを開始する。

それぞれの役割として、ラックは、鹿児島大学と鹿児島県警察に以下の支援を行う。

  • 緊急時、各種情報提供時のホットライン開設
  • JSOC、サイバー救急センターの注意喚起情報を共有
  • サイバー犯罪に悪用される可能性のあるセキュリティ情報の提供
  • 人材交流、長期派遣研修
  • 実践的なデジタルフォレンジック研修

鹿児島大学は、ラックと鹿児島県警察へ以下の支援を行う。

  • 学内インシデント情報の共有
  • セキュリティ対策に関する技術実証実験
  • 将来的なセキュリティ関連技術に関する共同研究
  • 産学官連携における活動拠点の提供

鹿児島県警察は、ラックと鹿児島大学に以下の支援を行う。

  • サイバー捜査等、提供可能な情報についての提供
  • 地域のサイバーセキュリティ対策向上に向けた広報啓発活動

左からラックの高梨社長、鹿児島警察本部の河野本部長、鹿児島大学の前田学長