6日(現地時間)、米国の電気工学技術の学会誌「IEEE Spectrum」はMicrosoftがDigital ResearchのCP/Mをコピーしたという噂について明らかにする取り組みがあることを、自身のWebサイトで明らかにした。MS-DOSはMicrosoftがIBMから依頼を受けて開発したOSだが、SCP(Seattle Computer Products)のQDOS(86-DOS)の開発者を自社に招いてPC-DOSを開発している。QDOSはCP/Mの16ビット版OSとしてSCPが開発をスタートさせ、内部APIやコマンドはCP/Mに類似していた。そのため、前述のような"噂"という形が現れたのだろう。

IEEE Spectrumの記事によれば、MicrosoftがComputer History Museumに寄付したMS-DOSのソースコードCP/Mのソースコードを元に、コンサルタントのBob Zeidman氏は2012年からCP/MとMS-DOSの類似性を疑う記事を発表し、その結果をVintage Computer Festival West XIで公表した。

結論としてはMicrosoftがソースコードをコピーしたという証拠は発見できなかったものの、テキスト文字列をプリンターへ出力する際や、ハードディスクから読み込む際に用いられるコマンドから、少なくとも22のシステムコールで同じ関数を使っていることを確認している。他方でZeidman氏は、CP/Mの作者であるGary Kildall氏(故人)が用意した関数の発見者に10万ドルの賞金を用意した。

阿久津良和(Cactus)