NECは、通信サービスや金融サービスなど、重要で止められないサービスを提供するシステムにおいて、セキュリティリスクへの対応や、利便性・機能向上のために、迅速なシステム更新を実現する「システム自動更新AI技術」を開発したと発表した。

この技術は、システム管理者が、目的とするシステム構成を入力するだけで、膨大な更新手順の候補の中から、サービス停止を起こさない手順を自動生成するもの。

これまでは、サービスの停止や機能障害を引き起こさないために、再起動の順番やサーバ上の機能に依存している他の機器との関係を考慮して手順を作成する必要があったが、今回開発した技術は、AI技術を用いて、システム管理者が目的とするシステム構成を入力するだけで、サービス停止を起こさない更新手順(無停止更新手順)を自動で生成する。

具体的には、アプリケーション、ミドルウェア、仮想マシン、ネットワークなど各システムの部品の動作に必要な条件(機能間の依存関係や機能を保つための動作の優先順位など)およびサービスを停止させない条件といった、複雑な要件を同時に満たす更新手順を、AIプランニング技術によって探索し、自動で生成する。

新技術の特徴

NECは各構成部品にこれら条件に関する情報の紐付けを可能にし、複雑な条件をもつ部品同士の組み合わせを、更新手順生成に必要な情報へと変換・合成できる独自の抽象化技術を開発した。

同社によれば、人手で一週間要したシステム更新を数分に短縮することが可能だという。NECでは、2017年度の実用化を目指している。