米Microsoftは9月8日、7月にリリースした最新のOS「Windows 10」の法人顧客向けプログラム「Surface Enterprise Initiative」を発表した。まずはDellと提携し、DellがWindows 10タブレット「Surface Pro」の再販を行う。Microsoftは今月中にWindows 10のエンタープライズ向け機能のロールアウトを予定しており、これに合わせたものとなる。

Surface Enterprise Initiativeは、モバイルと生産性のメリットにフォーカスしてWindows 10をエンタープライズ向けにプッシュするもの。Microsoftは、Windows 10を「設計段階から法人向けの機能に特化して構築したエンタープライズ向けとしては過去最高のWindowsバージョン」と位置付けている。中でもセキュリティについては、「唯一エンタープライズ級のセキュリティを組み込んだOS」と強調している。

Microsoftは同日、このイニシアティブの一環として、法人向けのWindows 10デバイスの提供でPCメーカーのDellと提携したことを明らかにした。提携の下、DellはMicrosoftのWindows 10ベースの法人向けタブレット「Surface Pro」を自社のサポートをつけて販売する。

サポート内容には、最長4年のハードウェア保証Dell Hardware Warrantyや設定導入などのDell Serviceオプションが用意される。DellによるSurface ProおよびSurfaceアクセサリの提供は10月より米国とカナダで開始する。その後、2016年はじめより28市場に拡大する予定だ。

Microsoftは今後、他社とも法人市場を狙った提携を進めていく意向。Windows 10デバイスに加えて、業界専用のアプリやソリューションの提供、営業・サポート・サービスでも協業を進めていくという。社名としては、米Hewlett-Packard(HP)、米Accenture、米Avanadeの3社が挙がっている。

Microsoftは合わせて、9月に「Windows Insiders」向けにロールアウトを開始するWindows 10のエンタープライズ機能についても概要を発表した。その1つが「Enterprise Data Protection (EDP)」で、個人および企業のデータに対し、データがどこにあっても保護するというもの。

また、エンタープライズ版の「Microsoft Passport」では、パスワード利用せずにアプリケーション、Webサイト、ネットワークに安全にログインできるという。ビジネスユーザー向けに企業の内部アプリの配信が可能で管理者がアプリを一括購入できるWindowsアプリストア「Windows Store For Business」もロールアウトする予定だ。これらエンタープライズ機能の一般への提供は、2015年末を見込む。

Microsoftによると、7月にリリースして以来、Windows 10が動いているデバイスの数は7500万台を数えるという。