エンターテインメント業界向けにデジタルコンテンツ関連ビジネスを展開するシリコンスタジオは8月25日、リアルタイムビジュアルを実現するレンダリングエンジン「Mizuchi」と国産ゲームエンジン「OROCHI 4」、また「OROCHI 4」用の機能拡張製品「Mizuchiエクステンション」の販売を開始した。

「Mizuchi」は、数々の最新ライティング技術を採用した物理ベースレンダリングの考え方をサポートするリアルタイムレンダリングエンジンで、SDKとオーサリングツール「MizuchiEditor」で構成されている。

アルベド、法線、光沢度、金属度、微細凹度などのパラメーターをレタッチソフトのレイヤー同様に扱うことができ、複数のレイヤーを重ねたりマスクで抜くことなどにより、素材の質感だけでなくサビやキズなど素材の状態までも表現できる質感表現力に強みがあり、金属、木材、ガラス、プラスチックなど、多種多様な材質をアーティストのイメージどおりに表現することを可能とする。 また、ポストエフェクト技術を結集させたミドルウェア「YEBIS」を同梱し、リアルタイムビジュアルの創造を支援するという。

主なターゲット市場は、ゲーム業界に加え、高品質なリアルタイムレンダリングに対する需要が急増している映像・放送業界や、建築・製造業界の中でリアルタイム性が求められるプロダクトビジュアライゼーション分野など。

「OROCHI 4」は、グラフィックス、フィジックス、AIなど13のライブラリと、40以上の開発ツールを備えた国産ゲームエンジンで、「Mizuchi」の性能を最大限に発揮できるよう設計されている。開発途中での仕様変更やプロジェクトごとのカスタマイズを許容する柔軟な設計と、日本人エンジニアによるサポート体制が特長。また、機能拡張製品「Mizuchiエクステンション」を使うことでレベルの高いグラフィックス表現が可能となる。

さらに、「OROCHI 4」は、対応プラットフォームすべてで高品質なグラフィックスを描画できる独自のレンダリングエンジンと「Mizuchiエクステンション」をひとつのワークフローで使用できるので、たとえば、ハイエンドプラットフォームであるPlayStation4と携帯機であるPlayStationVitaの開発においても、ワークフローを分けずに同時並行で開発を進めることが可能だという。

対応プラットフォームは、PlayStation 4、PlayStation Vita、PlayStation 3、Xbox One(対応予定)、Xbox360、Windows(DirectX 9/11)。

「OROCHI 4」+「Mizuchiエクステンション」によるグラフィックスの例

「OROCHI 4」の主なターゲット市場は、ゲーム業界における、コンシューマー、アーケード、PCオンラインゲームの開発となる。