ヴイエムウェアは3月13日、同社初のSoftware-Defined Storage製品となる「VMware Virtual SAN」の提供を開始したと発表した。「ハイパーバイザー統合型ストレージ」と呼ばれており、vSphere上で管理された仮想マシンに対して柔軟なストレージ環境を提供する。

ヴイエムウェア マーケティング本部 シニアプロダクトマーケティングマネージャ 桂島航氏

Virtual SANは、VMware vSphereのカーネルに直接統合されており、インストール作業もvSphere Web Clientにて2回クリックするだけ。物理マシンのスケールアップやスケールアウトも容易で、サーバ仮想化環境の運用と同様、物理ノードやディスクを追加し、管理画面から認識させるだけという。

Virtual SANを導入した環境では、仮想マシンの作成時に、ストレージのポリシーも選択できるようになる。ポリシーは、可用性を考慮して管理者があらかじめ登録するが、その作業も多くが自動化されており、Raid構築時のような煩雑な作業は必要ないという。

Virtual SANインストール時の画面

仮想マシン作成時にストレージのポリシーも選択

Virtual SANは、基本的にx86サーバで動作するため、ストレージ専用機を導入する場合に比べて低コストで構築できるという特長がある。ただし、パフォーマンスを高めるために、一時的にSSDに書き込むアーキテクチャを採用しているため、ヴイエムウェアではストレージ容量全体の10%以上をSSDで構成することを推奨している。なお、対応ハードウェアに関しては、150以上のコンポーネントが同社Webサイトにて公開されているほか、「Virtual SAN Ready Node」と呼ばれる推奨構成のサーバもCisco、IBM、Dell、富士通から提供される。

Virtual SAN対応ハードウェア

パフォーマンスは、現在の最大構成である32ノードにおいて、読み取り専用処理が200万IOPS、読み取り/書き出し処理が64万IOPSを記録しているという。ヴイエムウェアでは現在のところ、特に仮想デスクトップ環境での利用を推奨している。

Virtual SANのライセンスは、通常ライセンス、「VMware vSphere Data Protection Advanced(VDPA)」バンドル版、仮想デスクトップ用途専用の「VMware Virtual SAN for Desktop」の3種類。通常ライセンスおよびVDPAバンドル版はプロセッサ単位で、市場推定価格は31万2000円/CPU。仮想デスクトップ向けは、ユーザー単位で市場推定価格は6000円/ユーザー。

Virtual SANのライセンス