IBMは2月25日、利用者や開発者による「ハイブリッド」クラウドの採用を加速させる、新たな開発環境とサービスとしての機能(CaaS : Capabilities as a service)を発表した。

IBMはこの取り組みの一環として、ソフトウェア・クラウドの開発に10億ドル以上を投資し、SoftLayer上で実行される新機能をリリースする予定。

同社は、ハイブリッド・クラウドの採用促進における基本的な課題として、「企業の開発者のクラウド適応を支援」、「企業環境の統合」、「イノベーションを加速させ成長を促進するアプリケーション開発を実現する、オープンなエコシステムおよびプラットフォーム」を挙げており、今回、これらの動向に合わせるかたちで、次の3つのクラウド機能を発表している。

  1. IBMのエンタープライズ・ソフトウェア・ポートフォリオをクラウドにも広げ、コードネーム「BlueMix」のオープン・ベータ版を提供開始する。なお、BlueMixは、IBMのソフトウェア、サード・パーティーのテクノロジー、オープン・テクノロジーの力を結集するPaaSで、クラウドにおけるDevOpsを提供し、規模に応じたオープンな統合開発体験を実現する。また、IBMは、DBaaS(Database as a service)プロバイダーの米Cloudantを買収することを発表。Cloudantによって、開発者は迅速に次世代のモバイルアプリやWebアプリを開発できるとしている。
  2. 既存のアプリケーションをクラウドに拡張するために、あらかじめ定義したソフトウェア「パターン」を通じてWebSphereなどのIBMのミドルウェア・ポートフォリオをSoftLayer上に展開。IBMなどから入手可能なアプリケーションおよびミドルウェアのパターンによって、ハイブリッド・クラウド環境におけるアプリケーションの移植性が実現し、アプリケーションとミドルウェアをオンプレミスでもオフプレミスでも展開できる。
  3. アプリケーションを計画・開発・テスト・展開・モニターするための重要な機能やSMaaS(System Management as a Service)を提供するDevOpsなど、SoftLayer上で実行されるサービスに継続的に投資し、サービスを拡大することで、ソリューションをクラウドに拡張。なお、同社は併せて、従来のレベルと範囲を超えるインフラストラクチャー・サービスをクラウドで提供するためにPowerSystemsをSoftLayerクラウド・インフラストラクチャーに統合することを発表した。

このほか、IBMは、PaaSのオープン・ソース・エコシステムを構築および開発することを目標とする「Cloud Foundry Foundation」の創設メンバーとなることもアナウンスしている。