日本HPは1月9日、省電力、省スペースを実現するSoftware Defined Server「HP Moonshot System」のラインアップを拡充し、AMD Opteron Xシリーズを搭載したリモートデスクトップ向け 「HP ProLiant m700 サーバーカートリッジ」、及び現行製品と比べ最大で約7倍の性能を発揮する最新Atomプロセッサを搭載した「HP ProLiant m300 サーバーカートリッジ」を発表し、同日より出荷を開始した。

「HP Moonshot System」は、「Software Defined Server」コンセプトに基づいて開発され、ターゲットとするアプリケーション特性に合わせて最適なスペックのカートリッジを、4.3Uのシャーシに最大45枚収容可能な次世代システム基盤。

4ノードモデルとなる「HP ProLiant m700」は、1つのカートリッジに独立した4ノードを実装し、4.3Uのシャーシに45カートリッジ180ノードを実装可能なサーバカートリッジ。GPUを統合したAMD Opteron X2150 APUプロセッサを4基、ECC対応DDR3 SO-DIMMスロットを4基、ローカルブート用に32GB iSSDメザニンスロットを4基搭載。Windows 7およびWindows 8 - 64bit(将来対応)をサポートし、Citrixのデスクトップソリューション「Citrix XenDesktop 」に最適なリモートデスクトップ環境が構築できるよう設計、及び検証されている。価格は2,248万8,900円(シャーシ、45カートリッジ、スイッチ含)~。

「HP ProLiant m700」

「HP ProLiant m700」のサーバカートリッジ

リモートデスクトップでは、VDIを中心に仮想化技術を利用したものが多いが、「HP ProLiant m700」では、仮想化を使わず、ハードウェアを占有するソリューションを提供。同社はこれを「HDI(Hosted Desktop Infrastracture)」と呼ぶ。

日本HP HPサーバー事業統括本部 HPサーバー製品統括本部 統括本部長 橘一徳氏は、動画などマルチメディアを多く利用する最近のデスクトップ環境では、仮想化はリソースが不足すると話す。

同社の調査では、900クライアントでの利用時、VDIに比べ導入時間の9割、消費電力の5割を削減できるという。

「HDI(Hosted Desktop Infrastracture)」

また、同社は同日 クアッドコアCPU搭載のシンクライアント「HP t620」の提供を開始し、リモートクライアントソリューションを強化する。価格は5万4,600円~。

「HP t620」。左が「HP t620 Thin Client」、右が「HP t620 PLUS Thin Client」

「HP t620」は、AMD GXプロセッサとAMD Radeon HD professional グラフィックスを搭載した、シリーズ初のクアッドコアCPU搭載のファンレスシンクライアント。映像や音声などマルチメディアの処理性能を従来モデル比で約1.5倍向上した。外形寸法はW220×D65×H240mm。

パワーユーザー向けシンクライアント

「HP ProLiant m700」などのハードウェアリソースを占有利用する性能重視型のリモートデスクトップと、高性能「HP t620」を組み合わせることで、CADや医療画像処理など負荷の高いアプリケーション利用に最適なソリューションを実現する。

「HP ProLiant m700」を掲げる日本HP HPサーバー事業統括本部 HPサーバー製品統括本部 統括本部長 橘一徳氏

「HP ProLiant m300」は、サーバ向けのIntel Atom C2750(8コア、2.4GHz)を1基、及び32GBメモリ (ECC対応)を搭載した サーバカートリッジ。搭載するプロセッサは現行製品との比較で最大約7倍のWebサーバ性能を発揮する。価格は1,607万9,700円(シャーシ、45カートリッジ、スイッチ含)~。

「HP ProLiant m300」

「HP ProLiant m300」は、、Intel Xeon E3-1230v3(4C/3.3GHz)搭載のラックマウント型サーバとのベンチマーク比較において、ほぼ同等のWebサーバ性能を実現しているという。このため、静的Webサーバ用途に加え、動的Webサーバ、コンテンツ配信やMemcachedにも対応可能だという。

「HP ProLiant m300」の性能