マーケティングの場がソーシャルメディアに移動している。Facebook、Twitterが主なサービスとなるが、それぞれ特性が異なる。今回はFacebookでファンを増やす方法について記しているOpen Forumの記事「ゼロから2万7000人へーーFacebookでフォロワーを増やす方法(原題:From 0 to 27,000 Fans: 6 Ways To Engage Followers On Facebook)」を紹介したい。

記事ではまず、米ニューヨークにある個人経営の宝石店の例を紹介している。この店を両親から引き継いだ新しい経営者は、地元紙に広告を出すものの来店数が増えない悩みを抱えていた。

そこでFacebookページを作成し、友人や知人に「いいね!」ボタンを押すように招待を送ったという。しかし、そんな初歩的な作業よりも、フォロワーが急増する契機となったキャンペーンがあるという。

それは「カップルコンテスト」だ。良いと思ったカップルに対する投票を、宝石店のFacebookページ上で行い、最も票が多かったカップルには景品として1万ドル相当のエンゲージリングを贈るというものだ。

応募したカップルはFacebook上で友人や家族に投票を求めた。もちろん、投票するには「いいね!」を押す必要がある。これがうまくいき、フォロワーの数は一気に2万7000人に増えたという。

この経営者はプロのマーケッターではなく、個人経営のオーナーだ。それを考えると、ここまででも十分成功といえそうだが、ここから先が大切だ。一気に増えたフォロワーとどうやって長期的関係を築くか。記事では以下の方策を紹介している。

インセンティブ

時間やリソースが足りない個人商店やSMBであっても、クーポンや割引であれば始めやすいだろう。100万円のエンゲージリングは予算的に難しいかもしれないが、「週末にショッピングすれば〇円引き」などのプロモーションで「いいね!」やシェアが増えるかどうか、試してみてはいかがだろう。

良い行いでイメージアップ

冒頭で紹介した宝石店は、カップルコンテストで集まったフォロワーに対して、「1000ドルの寄付をどこにすべきかフォロワーに決めてもらうキャンペーン」を展開した。

このような慈善活動に、フォロワーの好感度もアップしたようだ。開始後3日で新たに1000人のフォロワーがついたという。初回の成功を受け、今年も行うことにしたという。

写真に一工夫

潜在フォロワーが最初に見るのがメインページだ。ここで印象を悪くしないように、写真や画像は注意深く選びたい。きれいなものやかっこいいものならなんでも良いというわけではない。

自社の事業と関係あるものでなければピンとこないし、せっかく訪問してくれた潜在顧客が他のページへ移ってしまうかもしれない。また、最低でも四半期に一度はカバー写真を変えてリニューアルするよう助言している。

定期的な投稿を

写真だけではなく、投稿も定期的に行って、訪問したフォロワーが新しい情報が得られるようにしたい。新しい情報がなかなかないという印象がついてしまうと、フォロワーは次第に離れていく。

エンターテイメント性が高いものやシェアが見込めそうなものなど、反応を見ながら進めていくうちにコツがつかめてくるだろう。

シーズンやイベントに乗っかる

クリスマスやハロウィン、バレンタイン、新学期といったシーズン、あるいは自社が関係あるイベントやキャンペーンには、参加しておいて損はない。

それらのタイミングで行われるイベントに期待してFacebookページを訪問するユーザーもいるはずだ。イベントやキャンペーンも特設ページを持つことで、新しいフォロワーの獲得も期待できる。

フレンドリーなお客さんとの対話をWebでも

記事では最後に、「Facebookでフォロワーを増やし、維持することは時間がかかる」と忠告している。時間はかかるがやる価値はあるし、やらなければならない時代になってきたともいえる。まずは難しく考えず、「普段、店頭でお客さんと交わすフレンドリーな会話をWebでも増やしていく、と考えてはどうだろう」と提案している。