NECは、各種センサーを搭載した家庭向け小型ロボット「PaPeRo petit(パペロ プティ)」と、「PaPeRo petit」を活用し様々なアプリケーションを提供するためのクラウド基盤「クラウド連携型ロボットプラットフォーム」を新たに開発し、パートナーを通したサービス提供を2014年1月から開始すると発表した。

「PaPeRo petit(パペロ プティ)」

「PaPeRo petit」は、高さ24cm、重量1.3kgの小型ロポットで、主に家庭での利用を想定している。カメラ、マイク、人検出センサー、スピーカを搭載し、温度分布や距離の測定のほか、顔認識(どこに顔があるのか)機能を搭載する。駆動はAC電源で、ネットワーク機能として有線LAN、Wi-Fiを備える。ほかに、microSDスロットやUSBポートも搭載する。

「PaPeRo petit」概要

背面のインタフェース

同社では、「PaPeRo petit」から得られたセンサーデータと「クラウド連携型ロボットプラットフォーム」を利用したクラウドサービスを連携させることで、みまもりサービス、生活支援サービス、店舗向けサービスなどの提供を考えている。「クラウド連携型ロボットプラットフォーム」は、同社が提供しているM2Mのプラットフォーム「CONNEXIVE」の上に構築したロボットプラットフォーム。各種センサーを搭載し家庭向けに小型化したロボット「PaPeRo petit(パペロ プティ)」と、「PaPeRo petit」を活用し様々なアプリケーションを提供するためのクラウド基盤から構成される。

利用シーン例

「クラウド連携型ロボットプラットフォーム」

そして同社は、クラウド連携型ロボットプラットフォームをベースにサービスを提供するパートナー制度「PaPeRo パートナープログラム」を新たに公開し、「ビジネスパートナー」ならびに「アプリケーションパートナー」を募集を開始した。

「PaPeRo パートナープログラム」は、「アプリケーションパートナー」と「ビジネスパートナー」、NECの三者が連携し、ロボットとアプリケーションを組み合わせたサービスをエンドユーザに提供する仕組み。

アプリケーションパートナーは、NECが公開するクラウド連携型ロボットプラットフォームのAPIを活用して、アプリケーション開発を行う法人。開発したアプリケーションはビジネスパートナーを通じてサービスとしてエンドユーザへ販売する。

「アプリケーションパートナー」

一方、ビジネスパートナーは、セキュリティ、住宅、医療、公共など様々な分野に向けてロボット活用サービスを提供する事業者で、ビジネスパートナーはNECと共同でサービスや価格を決定し、エンドユーザにアプリケーションサービスとロボット端末を提供する。提供価格は、月額1万円以下を予定しているという。

「ビジネスパートナー」

ロボット単体での提供はなく、パートナーのサービスを組み合わせて提供される。なお、API利用やサービスの販売については、パートナーになることが必須となる。

また、NECは、ビジネスパートナーがエンドユーザ向けの新サービスを検証するためのトライアルサービス(個別見積り、標準期間3カ月)を提供する。

NEC 執行役員 保坂岳深氏は、「NECはこれまで高齢者、一人暮らしの女性、一人で過ごす時間が多い子供のために、人が介在するあたたかさを大事にしながら、ITを活用して豊かな生活を実現できる方法を模索してきた。1つの答えが『PaPeRo petit』だ」と述べた。

NEC 執行役員 保坂岳深氏

同社では今後3年間で100億円規模の事業を展開していく予定だ。