NXP Semiconductorsは、自動車業界向けにRoadLINK製品「SAF5100」の評価用サンプルの提供を開始したと発表した。

同製品は、自動車間(C2C)および自動車と交通インフラ間(C2I)の通信に柔軟に対応するソフトウェアデファインラジオプロセッサで、Car-to-X(C2X)技術向けにフルラインナップソリューションの提供を目指したものという。また、今年7月にNXPと車載安全アプリケーション向け無線通信技術を手掛けるCohda Wirelessによって発表されたコネクテッドカー向けのMK4リファレンス設計に使用された製品でもある。

「SAF5100」は、ドイツで実施されたsimTDをはじめ、現在米国でミシガン大学の交通研究所(UMTRI)によって進められているセーフティパイロットモデルの実施やフランスのSCORE@Fなど、C2X通信の実証試験の成功を受けて発表されたもので、これらをはじめとする世界各国の実証試験では、当初よりプロトタイプが検証されてきた。

「SAF5100」は自由にプログラム可能で、ユニークなIPを動作させてワイヤレス通信における受信性能を高めることが可能。802.11pのダイバーシティアンテナなど複数のワイヤレス標準規格をサポートすることができるため、様々な地域で定められる新たな標準規格に対し、ファームウェアのアップデートで柔軟に対応することができる。また、ソリューションに完全統合されたCohda Wirelessが開発した802.11p対応ファームウェアを介してクラス最高水準のワイヤレスリンク性能も提供される。

なお、パッケージは12mm角のLFBGAを採用しており、部品コスト(BOM)を抑えることができる。独自のソフトウェアデファインラジオによるアプローチはファームウェアのダウンロードによって最終工程でのコンフィギュレーションが可能で、単一のハードウェアプラットフォームをベースにグローバルなC2Xソリューションを導入できるとしている。量産開始は2014年下期を予定している。

NXPのRoadLINK製品「SAF5100」