就職の面接といえば、資料やマニュアルをしっかり読んで準備して、当日は服装を整えて……というのが日本の常識だが、所変われば求職者のアプローチも変わってくるようだ。

――ピエロの格好で登場した、面接担当を前に突然タロット占いはじめた――など米国企業の人事担当の中には奇妙な体験をした人がいるようだ。求職者の突飛なアイディアが評価されることもあれば、マイナスだったという担当者もいる。

米国ベースの求人情報サービスCareerBuilerが、米国企業の人事や採用担当に、応募者が面接で使った手段のうち最も忘れられない話について尋ねた。調査期間は2013年5月から6月の約3週間で、約2080人が回答した。

まずはプラス評価につながったものをみてみよう。

チョコレートの包み紙のようにチョコレートを包んだ履歴書を渡された、スーツを脱いだら白いシャツの下に"Hire Me, I Work Hard(採用してください、一生懸命働きます)"と書かれた赤いTシャツを着ていた、としゃれたエピソードが挙げられた。

ドラマのような話としては、空き瓶にメッセージを入れたものが送られてきた、カバーレター代わりに結婚式の招待状のようなカードが使われていた、などが紹介されている。

スキルの示し方で一工夫した志願者もいるようだ。ある志願者はスペイン語のスキルを示すためにスペイン語で面接してくれと申し出たという。また、自分がベストだと示すためにギターを演奏した人もいたようだ。面接中に会社の壊れた機器を修理したという話もあれば、面接担当のアシスタントがコピーをとるのを手伝うと申し出たというものもある。

もちろん「王道」の就職活動は、清潔感のある服装、丁寧な言葉遣いなど米国でも変わらない。奇をてらったが逆効果だったという話もたくさん明かされている。

マイナス評価につながったものとしては、面接中に後ろ宙返りをした、面接官を前にタロット占いを始めた、ピエロの格好で登場した、などなど。インタビュー中にタイマーをデスクに置き、3分で自己アピールをすると言った人もイメージを悪くしてしまったようだ。

このほかにも、面接担当者のオンラインショッピングのウィッシュリストのアイテムを購入した応募者もいれば、住所を教えたはずがないのに自宅にフルーツバスケットが送られてきたと不信感を募らせた採用担当もいるようだ。贈り物がマイナスに響いた例はほかにもある。面接担当者にビーフシチューが送られてきたが、「健康な食生活を送り、私を雇ってください」というメモがついていたという話、宝くじが届いたという話もある。

CareerBuilderの人事担当バイスプレジデント、Rosemary Haefner氏は「企業が求めているのは常軌を逸した人ではなく、自社に合う人材だ」と述べ、アイディア勝負に陥らないようアドバイスしている。