新日本科学と日本網膜研究所は7月3日、日本網膜研究所が目指す網膜疾患を適応症とした人工多能性幹細胞(iPS細胞)を利用した再生医療の実用化に向けた取組みに対して、その安全性を担保する非臨床分野において、新日本科学が日本網膜研究所から独占的に受注し、早期に臨床応用を実現することを目指して協力関係を築いていく業務提携契約を締結したことを発表した。

日本網膜研究所は、理化学研究所(理研)の認定ベンチャーで、理研が発明したiPS細胞を再生医療に応用する技術に係る特許の実施許諾に基づき、iPS細胞から分化誘導した網膜色素上皮細胞移植による加齢黄斑変性症の新たな治療法の開発を目指しており、将来的には視細胞移植、網膜再生薬、検査法開発などにより、現代の難治性網膜疾患を治療可能とすることを目指している。

こうした新たな治療法の確立には、iPS由来細胞を実験動物に移植し、その安全性などを調べていくことが必要となることから、非臨床分野の経験・ノウハウを持つ新日本科学と今回提携し、網膜の再生医療技術や眼検査法などの研究開発を含めた新たな治療法の開発を目指すことを決定したという。