6月12日、千葉県の幕張メッセで開催中のITテクノロジーイベント「Interop Tokyo 2013」において、米ジュニパーネットワークス、キャンパス&データセンター・ビジネスユニット、シニア・バイス・プレジデント兼ジェネラルマネージャーのジョナサン・デビッドソン氏は、「 SDNへの道:SDNによる革新を成功させる秘訣」と題して講演を行った。

米ジュニパーネットワークス、キャンパス&データセンター・ビジネスユニット、シニア・バイス・プレジデント兼ジェネラルマネージャーのジョナサン・デビッドソン氏

同氏は冒頭、「SDNは長い道のりであり、どっちの方向にいくかはわかっていない、ユーザーが正しい方向に導いてほしい。2009年には、SDNを導入した企業は0社であったが、昨年は2億ドルの金額がSDNに投資された。そして、2016年には37億ドルのマーケットになるとの予測もある。非常に大きな数字だ。これがなぜ起こっているのかといえば、機動性を追求するからだ。現在のネットワークには機動性がない。サーバは仮想化が導入され、大きく変わっているが、ネットワークは何も変わっていない。ネットワークも、データセンターの変化に対応していかなければない。サーバは数分で、アプリは数十秒で構築できるのに、ネットワークの設定には数週間かかっている。これは大きな問題だ。また、キーボードでコマンドで打つような変更では、ミスを起こすこともある。ネットワークにオートメーションがないというのが重要な問題だ。これはデータセンターだけでなく、エッジサービスの展開でも同じことだ」とSDNが必要とされる背景を説明した。

SDNの推移

そして同氏は、SDNを成功に導くために、ネットワークアーキテクチャ、オープン仕様、プログラマブルの3つが重要だとした。

ネットワークアーキテクチャは、単純であることが必要で、オープン仕様では、ベンダーがオープンスタンダードにしたがっているかを確認する必要があるとした。オープン仕様では、オープン仕様のノースバウンドAPI、プログラマブル、SDNプロトコルのサポートが必要だという。

ネットワークアーキテクチャは単純であることが必要

オープンスタンダードを作成する方法には、みんなで一緒につくる方法と、最初に独自で仕様をつくり、それをオープン団体にもっていき承認してもらう方法の2通りがあるが、同氏は「最初のやり方でないと成功しないだろう」と述べた。

オープン仕様では、オープン仕様のノースバウンドAPI、プログラマブル、SDNプロトコルのサポートが重要

プログラマブルについては、ネットワークインフラに対してプログラム可能でなければならないとし、これによりネットワークの俊敏性を活用できるとした。

プログラマブル

オープン仕様について、基調講演あとのプレス向けQ&Aセッションの中で同氏は、「オープンと言いながら、ベンダー中には拡張機能として独自仕様を入れ込んだり、プロトコルの中に独自のスキーマを埋め込んだりしているベンダーもあり、これらが相互運用性を阻害しており、われわれも懸念している。ただ、ジュニパーはこれまでベンダーとして2番手の位置にあり、常に(上位ベンダーとの)相互運用性を確保しなければならない環境にあった。そのため、われわれがオープンスタンダードを重視する姿勢はDNAとして備わっており、それが信頼性につながっていると思っている。この点はSDNにおいても同じだ」と語った。

また、同氏は今後SDNが普及していくためには、提供されるソリューションがきちんとユーザーの課題を解決できているかを確認しながら進めることが重要だとした。