矢野経済研究所は2月22日、国内のデータセンター事業の調査を実施し、その結果を発表した。

調査は、2012年7月から2013年1月にアウトソーシング事業者/データセンター専業者/建設会社/設計会社などを対象に、同社専門研究員による直接面談/電話/Eメールによる取材、ならびに文献調査を併用して実施したもの。

それによると、2012年から2013年に掛けてデータセンターの新設や増床が多く行われた結果、2013年3月末の国内データセンター総床面積は大きく伸長し、前年同月比108.8%の216万4,000平方メートルになると見込まれる。

国内データセンター総床面積推移と予測 資料:矢野経済研究所

IT事業者によるデータセンターへの投資が堅調なのは、事業継続対策や法規制への対応を目的に堅牢性が高くセキュリティ対策が万全なデータセンターを求める企業が増加していること、サーバ台数増加への対応や消費電力の削減を目的にデータセンターにサーバを移行する企業が増加していることから一般企業(ユーザー企業)からのデータセンターに対する需要が今後も堅調と見込めるため。

国内データセンター総床面積は、2011年3月から2017年3月までの年平均成長率(CAGR)4.6%で推移し、2017年3月末には250万8,000平方メートルに達すると予測。

また、IT事業者による首都圏(東京都/神奈川県/千葉県/埼玉県)のデータセンターへの投資は今後も堅調に増加すると予測している。これは大口ユーザーである大手企業が、緊急時に自社の情報システム部員が駆け付けることができる首都圏の立地を求める傾向は今後も変わらないと見込めるため。

国内データセンター総床面積 首都圏・地方別構成比 資料:矢野経済研究所

一方、地方(その他道府県)のデータセンターへの投資は、微増の推移に留まると予測。地方立地の特性を活かせると言われていたクラウドコンピューティングサービスと事業継続サービスが当初の期待ほど普及しておらず、ユーザー企業からの地方に立地するデータセンターへの需要拡大を見込みづらくなってきているためと同社では分析している。