日立システムズは2月21日、疲労科学研究所と協業し、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を客観的に測定するクラウド型の「疲労・ストレス検診システム」を自治体や企業向けに販売を開始すると発表した。

同社は、昨年9月に東北支社内に「震災復興支援プロジェクト」を新設し、被災地域の復興に貢献するサービスの開発・提供に取り組んできた。その過程で、被災地における住民や自治体職員のメンタルヘルスケア(心の復興)に役立つサービスが必要と考えた。

本システムは、疲労科学研究所が開発した自律神経測定器と、日立システムズが提供するデータセンターによるクラウドサービスで構成され、疲労科学の権威である倉恒弘彦医学博士(関西福祉科学大学教授)が監修したアルゴリズムを用いて疲労の客観的評価を行っている。

測定方法は、受診者が自律神経測定器に左右の人差し指を入れると、2~3分で心電波と脈波を同時に計測。計測したデータは、測定器と接続したPCからネットワークを経由して日立システムズのデータセンターに送られ、データを解析し、瞬時に結果を返す。

結果レポートには、自律神経機能年齢や心拍変動、交換・副交感神経のバランスが数値やグラフで表示され、「正常」「注意」「要注意」の3段階で評価。これにより、疲労・ストレスの度合いを客観的に確認でき、メンタルリスクの予防、早期発見に対する適切なケアおよび回復状況の確認が可能となる。測定結果はデータセンター内に安全に保管され、履歴の閲覧や統計分析など継続的なサポートに役立てられる。

「疲労・ストレス検診システム」利用イメージ

また、オプションで同社と提携する保健師や専門医による導入時研修やサポートデスク、ケースカンファレンスなどのサービスも合わせて提供。さらに、精神科医が個別に策定する様々なカテゴリーに応じた問診チェック票を併用することで、より総合的かつ正確に心の疲労傾向を把握することも可能となる。

価格は、初期費用が3万1,500円から、月額費用が10万5,000円から。