抜群の柔軟性と迅速なデータ移行を実現

取り扱うデータの大容量化に加えて、情報の共有化といった観点から、現代のビジネスに必須となっているのがストレージサーバだ。これは大企業に限らず、中小・SOHO企業においても同様。もちろんSOHOクラスならコンシューマ向けのNASという選択肢もあるが、やはり信頼性を考えると企業向けのストレージサーバがベストといえる。

IBMが提供する「IBM Storwize V3700」は、そんな中小・SOHO企業のニーズを満たしてくれる外付けストレージだ。この製品は、同シリーズの上位モデル「IBM Storwize V7000」に搭載された最新技術を盛り込みつつ、中小・SOHO企業でも使いやすいよう低価格化を図ったもの。本稿では、同製品の主な特徴を紹介していこう。

IBM Storwize V3700

まず注目したいのが、エントリー向けモデルでありながらシン・プロビジョニングに対応しているという点だ。

企業のストレージ使用率は、ビジネス展開に応じて通常平均の数倍まで急激に増加することがある。もちろん、こうした事態を鑑みてピーク時に耐えられる容量を選ぶわけだが、従来型のストレージではピーク時と通常時の差分、つまり普段使っていない容量にも無駄な運用コストを必要としていた。また、事業拡大でピーク容量がアップした場合には、いくら平均使用率が低くてもさらなるディスク追加が求められてくる。

日本アイ・ビー・エム システム製品事業 パートナービジネス推進の中村隆夫氏

しかし、シン・プロビジョニングと仮想化を組み合わせれば、通常時は実際に使用した物理容量だけを消費するため、ストレージ使用率の最大化が可能。また、従来型ストレージでは一度定義したLUNの容量を後から変更できないのに対し、仮想化環境であればピーク時などの状況変化に応じて容量を柔軟に変更できる。

日本アイ・ビー・エム システム製品事業 パートナービジネス推進の中村隆夫氏は「この価格帯でシン・プロビジョニングに対応しているサーバ製品は、弊社の『IBM Storwize V3700』だけです」と自信に満ちた表情を浮かべる。

また、既存環境からのデータ移行が簡単に行えるのも「IBM Storwize V3700」のメリットだ。

通常のストレージでデータ移行を行う場合、まずアプリケーション停止後に新しいストレージ機器を追加。データ移行が完了してからアプリケーションの動作を再開する、という手順が一般的だ。しかし「IBM Storwize V3700」なら、アプリケーションの停止と新ストレージの追加を行った後、すぐにアプリケーションの動作を再開できる。

この機能について中村氏は「旧ストレージを『IBM Storwize V3700』のドライブとして認識させることで、アプリケーションを動作させたままデータ移行が可能です」と解説する。データ移行中のアプリケーション停止時間を最小限に抑えられれば、当然ながら稼働時間が増える。こうした"ビジネスを止めない"データ移行も、企業にとって重要なポイントといえるだろう。

使いやすく拡張性にも優れた理想的なストレージ

「IBM Storwize V3700」では、ブラウザベースのGUIを採用しているのも特徴のひとつ。日本語対応はもちろん、ポイント・アンド・クリックの直感的な操作でタスクの進捗状況/容量の空き状況/エラーの有無などが確認できるほか、各種設定まで簡単に行うことができる。

「セットアップも最小でわずか10ステップ、時間にして10分程度で完了できます」という中村氏の言葉からも、設定管理の容易さが伺えるだろう。もちろん、一定レベル以上の知識を持つシステム管理者向けにCLIもサポートしている。

IBM Storwize V3700の設定画面。筐体やドライブは自動検出され、構成がされる(右)

拡張性に関しても「IBM Storwize V3700」は優れた実力を発揮する。3.5型と2.5型ドライブを混在した環境が構成できるほか、専用の拡張ユニットがラインアップされており、筐体を5つ使えば最大120ドライブまで搭載することが可能。スモールスタートと、ビジネス展開に応じた柔軟な拡張が行える、まさに理想的なストレージサーバといえるのである。

そうは言っても、ストレージ関連では「データ量の増加が激しく頻繁に容量拡張が必要」「ストレージ統合によるコスト削減がしたい」「最新のストレージで使用効率がどれくらい変わるか知りたい」などさまざまな課題があり、新しいストレージ環境への移行に躊躇している企業も多いはず。

そんな企業にお勧めなのが、IBMが提供している「SMASH-QUICK(ストレージ簡易分析・クイック)」だ。このサービスは、ストレージの現状分析と将来予測に加え、最新製品の導入でストレージ使用効率がどれくらい向上するのかまでをレポート形式でまとめてくれるもの。ツールなどの導入は一切不要で、必要総容量をヒアリングするだけ。分析・レポート作成にかかる期間は、最短1~2労働日程度というスピーディーさ、そしてなんといっても無料で実施してくれるのがありがたい。

IBMでは「System Storage エントリー・モデル新製品発表特別割引プログラム」として、「IBM Storwize V3700」が30%オフで購入できるキャンペーンを3月7日まで行っているので、この機会に「SMASH-QUICK」とあわせてストレージ環境の見直しを図ってみてはいかがだろうか。