ワイズテクノロジーは2月1日、シンクライアント専用OS「Wyse ThinOS」の最新バージョン「Wyse ThinOS 7.1.207」をリリースした。

Wyse ThinOSは、Wyseが独自に開発したシンクライアント専用OS。新バージョンでは、これまで1つだったSSIDを、最大8個まで対応できるようになり、X10jやX10cjなどのラップトップ型端末においては、移動して異なる環境でも無線LANが利用できるようになった。

ワイズテクノロジーのシンクライアント端末

ワイズテクノロジー 日本法人代表 松浦淳氏

また、新バージョンでは、ARMプラットフォームモデル(T10、X10j、X10cj)でオフライン時のキャッシュが有効となった。これにより、サーバからダウンロードしていた端末構成ファイル(wnos.ini)が、オフライン時もアクセスできるようになり、ファイルサーバ障害時の冗長性や、WAN越えのネットワークからの接続への対応できるようになった。

ワイズテクノロジー 日本法人代表 松浦淳氏は、ThinOSの特徴として、サイズが4Mバイト程度と非常に小さく、これにより起動時にロードされるサイズが小さくなるため、高速に起動できる点を挙げた。そして、小さくできる理由を、シンクライアント専用OSで、必要最低限のものだけを収めているためだと説明した。

松浦氏は、ThinOSはLinuxやWindowsベースのものに比べ非常にコンパクトで、アップデートの際もネットワークに負荷をかけないと説明

また、システムがクローズでカスタマイズができない特徴があり、ウイルスやマルウェアなどの攻撃を受ける可能性があるAPIを一切公開していないセキュアな設計である点もメリットだという。

そのため、金融機関や公共系の企業導入が増えており、2012年度には三菱東京UFJ銀行が5万台のシンクライアントを導入しており、行内の約9割の端末がWyseのシンクライアントに刷新されたという。ワイズテクノロジーによれば、これは世界最大規模のシンクライアント導入事例だという。