富士通は5月10日、機械装置設計向け3次元CADの最新バージョン「iCAD V7L2」を販売開始した。同製品の特徴は、データの複製や出力を抑制するセキュリティ技術の開発により、設計情報の漏洩を防ぐことが可能になった点。

同製品は、データの処理改善による軽量化やメモリ使用量の削減により、3次元CADエンジンの処理性能を向上させ、移動・コピーなどの操作処理で従来の約2倍、ファイルロード処理で約1.5倍の高速化を実現。データが軽量化されたことで、より多くの設計情報の一元化が行えるようになった。

製造業では、情報漏洩のリスクにより、国内外の拠点に渡す設計情報は意図的に情報を制限したり、電子データではなく紙や口頭で伝達したりしていたため、情報伝達のズレやミスの原因となっていた。

今回、データの複製や出力を抑制するセキュリティ技術を開発したことで、依頼先にセキュリティキーを発行し、設計情報の複製、紙などへの出力をセキュリティキーの保持者のみに制限することが可能になった。

同製品は、東芝エレベータに先行導入され、国内外の拠点間でのデータ共有に利用されている。

「iCAD V7L2」の各拠点での利用イメージ

価格は、「ICAD/SX(機械設計CAD)」138万円から、「ICAD/SX-制御検証」198万円から、「ICAD/SX-ファイルセキュリティ」60万円から、「ICAD/電気回路設計」40万円からとなっている。