三菱商事、三菱自動車、三菱電機は4月12日、けいはんなエコシティ次世代エネルギー・社会システム実証プロジェクトの1つとして、東京工業大学の指導を受けながら、電気自動車に搭載された蓄電池を用いて工場施設の電力需要平準化を行うスマートグリッド実証実験装置「M-tech Labo」の稼働を開始したと発表した。

スマートグリッド実証実験装置「M-tech Labo」

同実証実験は、出力が不安定な再生可能エネルギーや夜間電力を蓄電池に充電することで、工場やオフィスの電力需要がピークを迎える時間帯に供給し、電力需要の平準化を実現することを目的としている。専用の高価な蓄電池を用いずに、EVあるいはEVより回収されるリユース蓄電池を活用することでコストを抑える。

具体的な実験内容は、「実験装置から生み出される最大50kWの電力を用い、三菱自動車名古屋製作所内にある生産本館の電力変動低減(変動幅180kWの33%低減を目標)」、「EVユーザーの利用を妨げることなく利用可能な放電容量およびその時間帯を統合するシステムEIS(Electric Vehicle Integration System)の有効性確認を行い、これらの効果を1年間かけて検証していく」となる。

スマートグリッド実証実験システム全体の構成図

同実証実験において、三菱商事が「EV蓄電池/リユース蓄電池を活用した電力関連事業の検討」、三菱自動車が「充放電がEVに与える影響および、EVから出力が必要な車両側情報を調査」、三菱電機が「EV蓄電池、リユース蓄電池を効率的に利用できるシステムの検証」を担う。