NECは2月16日、重要なデータを複数に分散して保存することで機密性を確保する「秘密分散技術」において、クラウドのようなオープンな環境下でも、安全に情報を保存できる技術を開発したと発表した。

「秘密分散技術」とは、データを複数に分散して管理し、決められた個数のデータを集めることで復元できる技術で、重要な情報を保存する際の漏洩対策技術として期待されている。

従来は、分散した秘密情報のほかに、改竄を検出するチェックデジットデータとチェックデジットを計算する鍵データを保持する必要があった。しかし、チェックデジットのデータと鍵データを合わせると秘密情報の約4倍のデータサイズになるため、大容量のディスクを消費することが実用化の妨げになっていた。

これに対し、NECが開発した技術は、誤り訂正符号技術と従来の秘密分散技術を組み合わせて、改竄の有無を確かめるチェックデジットを複数集めることで鍵データを復元可能としたもの。チェックデジットのデータサイズは約20バイト、鍵データは不要となり、秘密情報とほぼ同程度のデータサイズで改竄の特定が可能になる。

同社は、同技術により、クラウド環境に企業の大規模データを保存する用途で秘密分散技術の活用が期待されるとしている。