ノークリサーチは10月13日、2011年中堅・中小企業におけるERPの利用実態とユーザー評価に関する調査報告を発表した。これは、同社発行の「2011年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」のERPカテゴリからの抜粋となる。

同社の発表によると、年商500億円未満の国内中堅・中小企業全体における導入済ERP製品/サービスのシェアトップはオービックビジネスコンサルタント(以下、OBC)の「奉行新/V ERP」で、昨年の3位からシェアを伸ばし順位を上げた。以下、SAPジャパンの「SAP ERP/SAP Business All-in-One」、富士通の「GLOVIA smartシリーズ」が続いている。同社は、「奉行新/V ERPが高年商帯向けにはコストダウン、低年商帯には"奉行シリーズ"製品の安心感という双方向へ訴求していることが伸びにつながっている」と分析している。

導入済みのERP製品/サービス 資料:ノークリサーチ

ERP製品/サービスを活用する端末環境については、スマートフォンやタブレット型端末の割合が増加する傾向が見られる。全体に占める割合はまだわずかだが、従来の特定用途に向けた専用機器に代わる汎用機として採用される可能性もある。同社では、「『業種特化用途における端末環境』は単なる更新需要に留まらない提案機会として意識しておく価値はある」としている。

ERP製品/サービス活用における端末環境 資料:ノークリサーチ

ERP(Enterprise Resource Planning): 企業における製造・販売・人事・財務会計などの経営資源を有効活用する観点から、企業全体で統合的に管理し、経営の効率化を図るための手法。企業資源計画。

「導入/サポートの価格」の評価が最も高かったのは、富士通/富士通マーケティングの「GLOVIA smartシリーズ」だった。これに、NECの「EXPLANNERシリーズ」、OBCの「奉行新/V ERP」が続く。「SAP ERP/SAP Business All-in-One」の評価が厳しくなっている点について、同社は「SAPは財務会計など特定の機能モジュールをパートナーのソリューションと併せて短期に導入する「Fast-Start Program」で新規導入シェアを伸ばしてきたが、既存の他システムとの連携やパッケージ自体の維持管理においては、中堅・中小企業向けに設計/開発された他製品と比べコスト負担が大きくなっている可能性がある」と分析している。

主要な「ERP」製品/サービスの「導入/サポートの価格」評価 資料:ノークリサーチ

「設定による機能の追加/変更」については、「GLOVIA smartシリーズ」や「EXPLANNERシリーズ」といった業種特化型ソリューションに強いベンダの製品/サービスが高い評価を得るようになってきている。同社は、「各ベンダーがカスタマイズを伴わずにユーザー個別の要件に適合する工夫を進めており、ソリューションの適合力とユーザー企業側のニーズとの間にあるギャップが今後解消に向かう兆しが見え始めている」としている。

主要な「ERP」製品/サービスの「設定による機能の追加/変更」評価 資料:ノークリサーチ