ウェザーニューズは10月11日、2012年花粉シーズンのスギ・ヒノキ花粉傾向を発表した。

スギ花粉の雄花生産量は、前年の夏の天候との相関が高いことがわかってきている。

2011年の夏は、太平洋高気圧に覆われて晴れる日もあったものの、西日本を中心に曇りや雨となる時期があり、東日本では西日本に比べると雨は少なくよく晴れて暑い夏となったが、全国的な猛暑となった2010年の夏に比べると雲が多く、気温も低い傾向となった。

このため、スギ花粉の発生源となる雄花の量は2011年より少なく、2012年のスギ花粉飛散量は少なくなる見通しという。

また花粉の飛散は、多く飛散した翌年は飛散量が少なくなったり(裏年)、少ない年の翌年に多くなったり(表年)と交互に増減する傾向がある。2011年が全国的に飛散量が非常に多くなったため、統計的に見ても2012年の飛散量は2011年より少なくなる見通しとしている。

さらに、スギ・ヒノキ林とスギの雄花の現在までの状況についても、今年から新たに取り入れたスギ・ヒノキ林の活性状況を観測した結果、2011年は2010年よりも全国的にスギ・ヒノキ林の活性度が低く、スギの雄花の量も少なくなる予想。

同社によれば、先週までに全国のウェザーリポーターと花粉の発生源となるスギ雄花を調査した「雄花リポート」を見ても、昨年と比較して今年は雄花の数が少ないと感じている報告が多く、半分以下であるという報告も寄せられているという。

スギ花粉の発生源となる雄花のこの時期の成長具合は、花粉飛散量に大きく影響するため、これらを総合的に考慮し、同社では「2012年の花粉飛散量は、全国的に2011年よりも少なく、全国平均では2011年の約3割の飛散量となる」と予想している

花粉の飛散量傾向 2012年

過去の飛散状況と比較すると、比較的飛散量の少なかった2006年、2008年、2010年と似た傾向となり、ヒノキ花粉の飛散量はスギ花粉の飛散量と傾向が似ていることから、2012年はヒノキ花粉の飛散量も少なくなると予想している。

なお、北海道のシラカバ花粉も2012年の飛散量は2011年よりも少なくなる見通し。