日本HPは8月29日、東京都江東区の本社1階に、業務用プリンタ製品のデモセンターである「Imaging & Printing Solution Center(略称:IPSC)」をオープンした。同様の施設は、東京都杉並区の高井戸事業所内に「HP Printing Experience Center TOKYO」として設置されていたが、今年の5月に本社が移転されたことに伴い、規模を拡大して新たにオープンした。

「Imaging & Printing Solution Center(「Indigo Zone」)」

広さは400平方メートルで、デジタル印刷機、大判プリンタ、スーパーワイドフォーマットプリンタなどの最新のデジタルプリンティング・ソリューションを一堂に設置し、新しいプリンティング・ソリューションの提案を推進していくという。

センター内は、デジタル印刷機による新たなビジネスモデルを提案する「Indigo Zone」、大判プリンタのフルラインナップを常設する「Designjet Zone」、スーパーワイドフォーマットプリンタを展示する「Scitex Zone」という3つのゾーンに分かれ、印刷のデモンストレーション、印刷の前後の工程を含むトータルソリューションを見ることができ、ユーザーの業務に合わせた環境で、デモを体感することが可能。また、紙・プリント素材、ワークフロー、プリプレス、ポストプレスを含むソリューションパートナーとのソリューション検証の場としても活用される。

内部は「Indigo Zone」、「Designjet Zone」、「Scitex Zone」という3つのゾーンに分かれる

なお、IPSCは完全予約制での利用となっている。

「Indigo Zone」では、デジタルオフセット機である「HP Indigo 5500」や「HP Indigo 7500」などのHP Indigoデジタル印刷機を体感できるほか、印刷機の前後を取り巻く生産ワークフロー、プリプレス、ポストプレスなどのトータルソリューションを設置し、デモと提案を行う。また、商業印刷、ダイレクトマーケティング、フォトビジネス、出版、ラベル、パッケージなどの商品サンプルを展示している。

パッケージなどの商品サンプル

「HP Indigo 7500」

「Designjet Zone」では、CAD/GIS向けのテクニカルモデル、写真画質のグラフィックモデルのほか、クラウド上のファイルを直接共有・プリントが可能な「HP ePrint & Share」対応モデル、環境にやさしい「HP Latexインク」搭載モデルなどの大判プリンタを展示している。

「Designjet Zone」

「Scitex Zone」には、最大5m幅までのプリント可能なHP Scitexシリーズの主力モデルとして、屋外/屋内の広告・装飾など用途に使用できる「HP Scitex LX850」を展示している。

「Scitex Zone」の「HP Scitex LX850」

本社1階に展示されているHP Scitexシリーズで環境にやさしいLatexインクを使って印刷されたプロテニスプレイヤークルム伊達公子さんとプロゴルファー有村智恵さんの巨大ポスター

中期事業戦略も発表

日本HP 取締役 執行役員 イメージング・プリンティング事業統括 挽野元氏

取締役 執行役員 イメージング・プリンティング事業統括 挽野元氏は、イメージング・プリンティングビジネス市場におけるトレンドとして、SNSの発展で写真や動画が簡単にアクセス共有にできることによる「コンテンツの急増」、スマートフォンやタブレット端末の進化による「モバイルの拡大」、商業印刷分野での「アナログからデジタルへ」の移行、クラウドを活用した「サービス型ビジネスモデル」の拡充という4つがあるとした上で、「新しいトレンドを捉えていかないと、お客様に満足いただくことはできないし、ビジネスも伸びない。この4つのトレンドが重要だ」と述べた。

イメージング・プリンティングビジネス市場における4つのトレンド

その上で、同社のイメージング・プリンティング事業を「ビジネスインクジェットおよびコンシューマー向け事業」、大判プリンタを中心とする「ラージフォーマットインクジェット事業」、オフセットなどの商業印刷分野である「デジタルプレス事業」、それと「オンラインサービス事業」の4つに分け、それぞれの中期事業戦略を発表した。

4分野の中期事業戦略

「ビジネスインクジェットおよびコンシューマー向け事業」では、プリンタをたくさん売ることによりインクやトナーなどのサプライビジネスを拡大しくという従来のやり方は変わらないが、そのためには品質やスピードの向上以外に、モバイルでの印刷機会を増やしていくことが重要だとした。また、プリンタをパソコンの周辺機器という位置づけでなく、クラウドから直接印刷できるデバイスと位置づけていくとも述べた。

ラージフォーマット(大判プリンタ)事業では、環境にやさしいLatexというようなインクを開発するといったイノベーションとともに、パートナーアライアンス強化により事業を拡大するとした。また、同社はCAD分野の設計図をWebを介して印刷するというソリューション(HP ePrint & Share)を提供しているが、これもイノベーションの1つだとした。

商業印刷分野であるデジタルプレス事業では、写真をよりきれいに印刷できる新たなインクの提供や小ロット印刷に対応し、必要なときに必要な量をタイムリーに印刷できることが重要だとした。

商業印刷分野でのアナログからデジタルへの移行について挽野氏は、ほとんどの用途でデジタル比率は5%以下で、残り95%が今後デジタルに移行すると予想されるとし、日本におけるその市場規模を5,000億円と予測。同社が注力する市場だとした。