米EMC バックアップ・リカバリ・システム部門 ビジネス開発担当 シニア・ディレクタ ロード・マシュー氏

EMCジャパンは5月30日、構造化データ向け重複除外製品「EMC Data Domain」と初めて連携した、非構造化データ向け重複除外バックアップ・ソフトウェア「Avamar 6.0」、同製品を搭載したアプライアンス・サーバ「Avamar Data Store Gen4」を発表した。

米EMC バックアップ・リカバリ・システム部門 ビジネス開発担当 シニア・ディレクタのロード・マシュー氏は、「外部ストレージとして、もはやテープストレージ市場は崩壊しており、ハードディスクが主流となっている。そのきっかけを作ったのは、われわれのデータ重複除外製品であるAvamarとData Domainだ」と、バックアップ市場に変革を起こしたのが同社であることをアピールした。

加えて、世界のバックアップ・リカバリ製品市場において、同社がシェアトップ、シマンテックがシェア第2位となっているが、「ソフトウェアとハードウェアの双方においてシェアを獲得している同社のほうが優位だ」と、同氏は述べた。

EMCジャパン BRS事業本部 本部長 河野通明氏

続いて、BRS事業本部 本部長 河野通明氏が国内における重複除外バックアップ市場の展望について説明を行った。

同氏は、昨年末に独自で行った調査を例にとり、「昨年12月の時点で、重複除外バックアップを導入している企業は15%だったが、未導入の企業も60%以上が導入のための情報を収集しているという結果が出ている」と、国内でも重複除外の認知が進んでいることを示した。

また同氏は、テクノ・システム・リサーチの調査結果を例に出し、「国内の重複除外ストレージ市場で、当社は80%以上のシェアで首位を獲得しており、むしろ60%のシェアのグローバルを先行している。国内の重複除外の将来がEMCにかかっているという気持ちになる。米国に遅れをとってはいけない」と、同氏は国内の市場全体を押し広げていく意気込みを見せた。

EMCジャパン BRS事業本部 システムズ・エンジニアリング部 部長 首藤憲治氏

新製品の詳細については、BRS事業本部 システムズ・エンジニアリング部 部長の首藤憲治氏から説明があった。

同氏は、「Avamar 6.0の注目点は2つ、Avamar Data Store Gen4の注目点は1つ」と述べた。Avamar 6.0の1つ目の注目点はData Domainと連携したことだ。これまで、非構造化データ向けのAvamarと構造化データ向けのData Domainではデータをバラバラに管理しなければならなかった。

「AvamarのユーザーがGUIが使いやすいと言ったことから、今回、Avamarの管理画面からData Domainのデータも見えるようになった」と同氏。AvamarでAvamarとData Domainを一元管理できるようになった。

もう1つの注目点は「VMware環境のバックアップの性能の改善」である。同氏は、「仮想化によって統合すればするほどバックアップがリソースを食うことになり、VMware環境ではバックアップがボトルネックになる。この課題をAvamarが解決する」と説明した。

今回、これまでバックアップにしか対応していなかった「VMware Changed Block Tracking」がリストアにも対応したことで、仮想化環境のバックアップ/リストアの時間が短縮された。

一方、Avamar Data Store Gen4はラインアップが刷新された。具体的には、ストレージ容量がすべて変わっており、従来は1TB/2TB/3.3TBだったところ、1.3TB/2.6TB/3.9TB/7.8TBとなった。その理由について、「Avamarの導入によって、長期間のバックアップを取得したいというユーザーが増え、これまでの3TBを18本の拡張ではまかないきれなくなってきた。今回、従来の最大ディスク容量の2.5倍まで拡張した」と、同氏は説明した。

EMC Avamar Data Store Gen4の価格は、シングル・ノードのレプリケーション構成で1.3TBの最小構成時で462万円となっている(税込)。