住友商事と日本車輌製造は9月22日、住友商事の米国現法である米国住友商事を主契約者として、北東イリノイ地域鉄道公社(以下、メトラ)から2階建て電車160両を受注したと発表した。契約金額は約5億6,000万ドル。

両社はこれまでメトラ向けに「ギャラリータイプ」と呼ばれる2階建て車両(電車/客車)505両の納入実績があり、今回納入するのも同車種だ。その特徴は通路部分が吹き抜けになっている点で、1両当たりの座席数は約140。1970年代に導入された老朽車両の更新用だが、メトラでは今後も更新需要が見込まれており、追加車両の購入が期待されるという。

北東イリノイ地域鉄道公社に納入予定の2階建電車

これまで両社がメトラ向けに納入してきた車両は、「米国製部品の6割使用と現地組み立て」を定めた"バイ・アメリカ"を達成するべく、イリノイ州在地元企業を活用してきたが、今後は現地工場建設も視野に入れ、さらに現地化比率を高める施策の検討を進めている。

住友商事は今回の受注分を加えると、メトラの保有する客車・電車の約7割を供給することになるほか、同じくシカゴを起点としする北インディアナ旅客輸送公社にも1980年前半より同公社が保有する全車両(85両)を納入しており、両社はシカゴ発着の通勤鉄道車両の大半を納入していることになる。

2007年に北インディアナ旅客輸送公社から受注した鉄道車両