東芝と米Babcock&Wilcoxは、共同で米国のウラン濃縮会社であるUSECへ各社1億米ドルの出資を行う契約を締結したことを発表した。今後、行政許認可などの諸手続を経て、出資手続きを完了する予定で、これにより、東芝は、原子力発電所燃料に必要な濃縮ウランの供給を受ける権利を取得することとなる。

USECは、米国最大のウラン濃縮事業者として米国を中心とした原子力発電用濃縮ウランの供給などを行ってきた経験を持つ。また、現在新技術を採用した新型遠心分離機(American Centrifuge Plant:ACP)の開発を進めており、今後の原子力発電所の新規建設による濃縮ウランの需要増加に対応することが可能となっている。

オハイオ州のAmerican Centrifuge Plant

東芝では、これまでカザフスタンのハラサン鉱山プロジェクトへの参画、カナダのUranium Oneのウラン権益の取得、原子燃料の製造を行う英国Springfields Fuel(SFL)の事業獲得、ロシアのTechsnabexport(TENEX) との原子燃料分野における協力など、フロントエンド事業強化を進めてきた。

同社では今回のUSECへ出資を行うことで、これまで構築してきた事業体制とともに、原子力フロントエンド事業の一貫体制を確立し、原子燃料供給体制をより一層強化することができ、原子力発電所の新設需要に対応しながら世界の原子燃料サイクルのさらなる安定化に向けて貢献できるものと考えているとしている。