5月10日(米国時間、日本では11日)、Twitterユーザーらの間でフォロワーの数字が"ゼロ"にリセットされる現象が発生し、大騒動になっていた。Twitterによればフォロー機能に関するシステム上のバグが見つかり、修正のために一時的に多くのユーザーのカウンタをゼロにリセットしていたという。現在ではすべて元に戻っている。

今回問題になったTwitterのバグとは、Tweetの入力欄に特定のコマンドを入力することで、特定のユーザーを自分に強制的にフォローさせてしまうことが可能になるというものだ。最初に同問題を発見したのはトルコのあるTwitterユーザーで、同件を報じたGizmodoによると、「accept (ユーザー名)」で強制フォローが実行されるという(現在は対策済み)。また同メディアでは問題が発見された経緯にも触れており、このトルコ人ユーザーがドイツのヘビメタバンド「Accept」を広めるメッセージを投稿する目的で「Accept pwnz」と入力したことがきっかけとなったようだ。

その後、各メディアが同件を報じ始め、同時に多くのユーザーのフォロワーのカウントがゼロになったことに気付いた。このタイミングでTwitterからも公式メッセージが出され、問題解決のためにカウントをいったんゼロに設定したことが報告された。同日夕方には問題が解決され、ゼロにされていたカウントも元の状態へと戻された。だがTwitterによれば、まだプログラム以外の問題として強制的にフォローされたユーザーのデータが残されている可能性があり、必要に応じてブロックやフォロー解除のツールを使って調整してほしいとしている。

今回の問題で興味深いのは、このようなシンプルなコマンド入力で相手を強制的にフォローさせるような仕組みが誰にも気付かれずに長期間残されていたことだ。おそらくプログラムのテストのために導入されたコマンドが、本番運用後も気付かれずに残されたままだったものだと思われるが、今回メディアに大きく報じられるまでほとんど悪用されずに済んでいたのは驚きだ。またChannelWebによれば、強制フォローコマンドが広まったことでAshton KutcherやMark Zuckerbergといった著名人のTwitterアカウントが集中的に狙われるという事態に発展したようだ。特にAshton Kutcherなどは"Twitterati"でフォロワー数獲得レースに参戦していたTwitter著名人として知られており、とてつもない数のユーザーに狙われたという。Twitterは便利なツールではあるが、まだ発展途上で予想もしないトラブルに巻き込まれる可能性もあるというのが教訓かもしれない。