新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)と山梨県北杜市とNTTファシリティーズは12月3日、大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究において、太陽光発電所としては国内初となる66kV特別高圧系統への連系が完了し、大規模太陽光発電実証研究システム(太陽光発電システム容量1.8MW)の本格運用を開始したと発表した。

山梨県北杜市大規模太陽光発電所

今回、研究の場として選ばれた北壮サイトは、太陽光発電にとって重要な日照時間が日本一の北杜市にある。また、複数の系統安定化技術を具備した国内最大級のパワーコンディショナ、国内外9ヵ国から24種類の太陽電池を採用したのは世界初となる。

同研究では、系統を安定化させるための技術として、電圧変動抑制技術、高調波抑制技術、瞬低時運転継続技術が開発された。

同発電所に導入された主な太陽電池は、結晶系シリコン(単結晶、多結晶、HIT、球状、リボン、バックコンタクト)、アモルファス系(単層タイプ、微結晶積層タイプ)、化合物系(CIGS、GaAs)など。このように複数の太陽電池を採用したことで、温暖地域、寒冷地域、各種傾斜角度、部分的な日陰などさまざまな設置条件に対応した太陽電池の選定が可能となる。

同事業では、運用データを基に事業性・環境性を評価し、大規模太陽光発電事業が成り立つことに目処をつけるとともに、大規模太陽光発電所の導入指針となる手引書を作成し、NEDOにてそれら成果を一般に公開する。