クリアスウィフトは10月27日、記者説明会を開催し、同社の販売戦略について説明を行った。同社はチャネルビジネスの拡大に向けてパートナープログラムを大幅に刷新しており、近日中にサービスプロバイダーを対象に新たなビジネスモデルを発表する予定だ。

英クリアスウィフト ワールドワイドセールス部門担当バイスプレジデント ジェスパー・フレデリクセン氏

英クリアスウィフト ワールドワイドセールス部門担当のバイスプレジデントを務めるジェスパー・フレデリクセン氏が同社全体の戦略について説明を行った。

同氏は、「当社は主に企業がITを利用する際のリスクを回避することにフォーカスしてきたが、これからは企業のビジネスを活性化することに注力していく」と述べた。

「FacebookやYouTubeといったインタラクティブなWebサイトが登場しているが、企業では安全にかつ生産性を高めるために利用できるようにする必要がある。その一方で、コストを削減するために、仮想化やグリーンITに取り組んでいく」

インタラクティブなWebサイトを禁止する企業が少なくないが、同氏は、「FacebookやLinkedInは優秀な人材を採用する際に有益であり、YouTubeやTwitterはマーケティング部門にとって価値があるツールだ。こうしたツールは企業全体で利用を禁止するのではなく、個人レベルで制御しなければならない」と指摘した。

同社のアドバンテージとしては、深いレベルでコンテンツのフィルタリングが行え、URLレベルではなく個人やグループレベルでフィルタリングポリシーを適用することができる点が挙げられた。

また、同社は電子メールのフィルタリング製品とWebコンテンツのフィルタリング製品を提供しているが、両製品のポリシーを統合管理することができ、この点も他社製品に対する差別化のポイントだという。

クリアスウィフト 代表取締役社長 嘉規邦伸氏

クリアスウィフトの代表取締役社長を務める嘉規邦伸氏は、日本法人の販売拡大のための施策は3つあるとして、「パートナープログラムの刷新」、「製品ラインアップの拡大」、「新たなビジネスモデルの発表」を挙げた。

パートナープログラムは今年7月に刷新され、リセラーがパートナーに追加された。リセラーは「ソリューションプロバイダ」、「セールスアソシエイト」、「ダイレクトマーケッター」から構成される。「リセラーは現在9社だが、30社くらいまで拡大したい」と嘉規氏。

製品ラインアップの拡大について、「電子メールのフィルタリング市場では地位を築いたので、これからはWebフィルタリングの市場のシェアを拡大していく。当社のWebフィルタリング製品はURLのフィルタリングに加えて、Web経由のコンテンツフィルタリングとウイルス/スパイウェア対策も提供しており、機能には自信がある。競合製品は、URLとDBを紐付けした形でフィルタリングを行う"第1世代"の製品と言え、インタラクティブなWebアプリケーションのフィルタリングに対処できない。当社はリスクのある製品の利用を禁じるのではなく、製品を的確に使えるようにしており、競合とは一線を画している」と、同氏は説明した。

また、同社は大規模企業における販売が弱かったが、「大規模企業は自社で技術を評価できるので、同社の技術の良さを理解してもらえる」(同氏)ので、今後は中規模から大規模の企業をターゲットとして広げていくという。

来週に発表が予定されている新たなビジネスモデルとは、パートナーに対し同社の技術を提供し、パートナーは同社の技術を用いてサービスを提供するというもの。パートナーは技術提供を受ける際、同社に初期費用を支払う必要はなく、ユーザー数に応じて利用料を支払えばよい。

フレデリック氏は、「このビジネスモデルでは四半期に1度、契約を結んでいるサービスプロバイダーにユーザー数を確認する。そのユーザー数に基づいて、当社に支払う利用料を決定する。例えば、ユーザー数が減れば、その分だけ利用料金も減る。さらに、サービスプロバイダーは初期費用を払う必要もないため、リスクを背負わずに新たなビジネスをスタートさせることができる」と、新ビジネスモデルの優位性をアピールした。