こうして、2006年11月にはFlex2.0を採用した新取引システムが、2008年2月には、同じくFlex2.0を採用したチャート・サービスの稼働がそれぞれスタート。

新しい取引システムでは、注文画面は独立したダイアログになり、銘柄を選択すると板画面もあわせて表示されるようになった。注文確認の際には、別のダイアログがポップアップして注文情報を表示し、入力間違いの際には、バルーンで間違い箇所を指示するといったように画面遷移のない操作性を実現している。このほか、板画面の配信速度のほぼリアルタイムの更新、イフダン注文などの特殊注文への対応、損益分岐点のシミュレーションの3D表示などにも対応した。

Flex2.0による新取引システムの画面

Flex2.0による新チャートの画面

また、チャートについては、陽線・陰線によって出来高の色を変えることでトレンドを視覚的に把握できるようにしたり、ユーザーがトレンドラインを簡単に引けるようにしたりして、見栄えと使い勝手の向上を図った。チャート上からのイフダン注文、注文訂正・取り消し、約定・建玉の確認などを行うこともできる。

損益分岐点のシミュレーションを行う際には3D表示も可能に

濱中氏は、「RIAは、ブラウザでありながら、Windowsアプリケーションとひけをとらないパフォーマンスと機能を実装できることが魅力の1つ。RIAを導入したことにより、使い勝手が大きく改善し、問い合わせなどのサポート負担が軽減できた。また、運用にあたっても、OSやブラウザのバージョンをほとんど気にする必要がないことは大きなメリットだ」と語った。

実際、システムの稼働率は、リプレース時期の約3倍にまで伸びている。そんななかでも、サーバ負荷をクライアントPCにある程度分散されるため、トランザクションが増えても以前ほど高負荷にならないという。

「Flex2.0の開発ノウハウを自社に蓄積できたため、その後のカスタマイズが容易になった。今後も、ユーザーのニーズに合わせて、インタフェースの改善を図っていくつもりだ」(同氏)