アイ・ティ・アールは9月9日、BI市場を構成する要素の1つである、データウェアハウス(DWH)用DBMS市場の2008年度市場規模、同市場の中のアプライアンス市場の市場規模とベンダーシェアを発表した。同発表によると、DWH用DBMS市場の2008年度市場規模は約71億円、前年比20.4%増だったという。

同社では、DWH用DBMS市場について「パッケージ・ソフトウェアとアプライアンスの両製品」を対象としている。2008年度のDWH用DBMS市場が大きな成長を果たした要因として、ネティーザによって市場が活性化され、各ベンダーが新製品を投入してマーケティング戦略や販売チャネルの強化を行ったことが挙げられている。

同市場の約9割を占める同アプライアンス製品の市場規模は63億7,000万円、前年比19.7%増となった。ベンダー別に見ると、テラデータが前年度よりも5ポイント減少させながらも78%のシェアを維持している。また2009年度より、オラクル・IBM・マイクロソフトが汎用的なハードウェアをベースとしたアプライアンス製品を投入してきたことによって市場はさらに拡大するものの、ベンダー間の競争が激しくなり、徐々にシェア争いが進むと、同社では見ている。

同社のシニアアナリストである生熊清司は、「DWH用DBMS市場規模は今後も拡大が予測されるが、テラデータやネティーザなどの専業ベンダーと、オラクル・マイクロソフト・IBMの3大RDBMSベンダーとの競争が激化していくだろう。またマイクロソフトは、買収したDATAllegroの製品をベースとした新たなDWHアプライアンス製品を2010年に投入する予定で、同社の価格戦略によっては、価格競争が激化する可能性も考えられる」と述べている。

2008年度DWH用アプライアンス製品市場のベンダーシェア 資料:アイ・ティ・アール