8月末に登場するSony Readerの新モデル「PRS-600」

米Sonyは8月13日(現地時間)、同社のオンラインブックストア「eBook Store」で配信する電子書籍のファイル形式を年内にEPUBに完全移行すると発表した。流通管理および著作権保護には、Adobe Content Server 4 (ACS4)を導入する。よりオープンな標準形式への切り替えで、独自形式を維持するAmazon.comのKindle Storeに対抗する構えだ。

現在、SonyのeBook Storeで販売されている電子書籍のファイル形式は同社独自のBBoBだ。ライバルのAmazonのKindle StoreもAZWという独自形式を採用している。それぞれ独自の電子書籍ファイル形式を軸に、オンラインストアと専用デバイスの組み合わせにユーザーを引き込もうとしているが、現地点で軍配はAmazonに上がる。電子書籍リーダーKindleのヒットを背景に、米電子書籍市場で圧倒的なシェアを獲得している。

EPUBは電子書籍の国際的標準化組織「International Digital Publishing Forum (IDPF)」に推奨されており、数多くのソフトウエアやハードウエアでのサポートが実現している。SonyのEPUB重視の姿勢は、Kindleよりもオープンな電子書籍ソリューションを印象づけるものだ。eBook StoreがEPUBへ完全移行すれば、同ストアがSonyの電子書籍リーダー「Sony Reader」以外のEPUB対応デバイスもサポートできるようになる。eBook StoreとSony Readerの独占的な結びつきは途切れるが、EPUB/ACSで電子書籍の貸し出しを検討する図書館など、様々なシナリオでSony Readerが利用される可能性も高まる。