統合的にサーバの負荷分散を実現

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社ビジネスディベロップメント シニアマネージャー 村上愼一氏

「インターネットユーザーの75%はNetScaler経由で接続している」(同社)と語る同社のL4/L7スイッチ市場における戦略は、大きく3つの柱で構成されている。1つはサーバのアベイラビリティ(最適化)、2つ目はセキュリティ、3つ目がオフローディング(負荷分散)だ。つまり、負荷分散は同社の戦略において1つの要素にすぎず、標準で対応するSSLオフローディングを含めて、統合的にWebサーバの負荷を軽減することが製品ラインナップに共通したポリシーとなっているわけだ。

NetScalerはL7のセグメントをメインターゲットとしているため、IPv6も含めて求められる機能のすべてをソフトウェアで実装していることが大きな特徴となっている(SSLの暗号化を除く)。「ソフトウェアだとスループットが遅いのでは?」というユーザーからの声もあるそうだが、実際にはHTTPで最大15Gbpsのスループットを実現するなど、競合製品の中でもトップクラスの性能水準を有する。

また、ハードウェアへの依存度が少ないため、機能面での拡張に柔軟かつスピーディにに対応できることもメリットの1つだ。

仮想化技術とのインテグレーション

同社としての最大の強みは、やはり「Xenを持っていること」だという。具体的には、仮想化・シンクライアント環境でのNetScaler導入に際し、最適化に必要な設定をGUIで行えるなど、あらかじめ仮想環境を想定した機能が組み込まれているわけだ。

現在同社は製品間のインテグレーションを加速している最中であり、「WANオプティマイザーであるBranch Repeaterとの組み合わせなどを踏まえると、NetScalerは今後の仮想環境におけるキーコンポーネントになる可能性が高い」と指摘している。

また、Ajaxも含め主要な業務アプリケーションについては最適化されたテンプレートが標準で用意されているため、カスタマイズの工数を大幅に削減できる。国内ベンダーの業務アプリケーションについても「今後対応を検討したい」とのことだ。

製品ラインナップ

Citrix NetScaler MPX 5500~17000

『出典:システム開発ジャーナル Vol.10(2009年6月発刊)
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