空調のインバーター制御では、店内のCO2濃度により外気の取り入れる量を制御し、夏場は外気の取り入れる量を抑え、二酸化炭素の濃度を800PPM以下に、冬場はより多くの外気を取り入れ、400PPM以下にコンントロールしている(建築基準法上は1000PPM以下)。その切り替えの目安は摂氏20度だという。これにより、送風機の電力量の20%を削減できるという。

建物に上部にある換気用の窓。柱に温度センサーがあり、摂氏33度を越えた場合に手動で開くという

そのほか、100%リサイクル可能なタイルカーペットの採用、間伐材の利用、再生コンクリートなどの再生材も数多く利用されている。ユニークなのは、電気自動車と電気バイク向けの充電器が設置されていることだ。普及台数から考えれば、利用はごく少数に限られ、シンボル的な側面が強いが、センター内の店舗では電気バイクの販売店もあり、レンタルも行われていた。

100%天然原料を使用した合板を利用

電気自動車(赤の装置)と電気バイク(黄色の装置)向けの充電器

ペットボトルのキャップを仕上げ材として再利用

昨年の洞爺湖サミットあたりから、一般の人の環境への関心はかなり高まっているが、イオンレイクタウンでも、住民参加型の環境への取り組みも行っている。 レジ袋の有料化もその一つだが、ほかにも、使用済みの天ぷら油の回収も行われている。そして、もっとも特長的な取り組みが、グリーンスコアというポイント制度。これは、電車を使っての来店、エコ活動やイベントへの参加によってエコポイントをもらうことができ、貯まったポイントをエコバックなどの景品と交換できるというものだ。電車利用の場合は、Suicaの履歴によりポイントに変換する。ポイントは、SuicaやWAONに貯めることが可能だという。

最近徐々に普及しつつあるレジ袋の有料化。イオンでは、導入前にその地域の消費者団体などとの話し合いを重ね、コンセンサスを得た上で導入を決定しているという

店内に置かれたグリーンスコア端末。ポイントを照会したり、変換したりできる

イオンレイクタウンでは、店舗案内用2台、警備用2台の合計4台のセグウェイが導入されている

今回の取材を行ったのは3月初旬だが、その時点でのCO2の削減量は2000二酸化炭素トン強。目標の年間9000二酸化炭素トンに対し、開店から5カ月で2000二酸化炭素トンというのは少ないように思えるが、北瀬氏は夏場に削減量が多くなるので、現在の実績ならば十分目標値はクリアできるという。