トムソン・ロイター・ジャパン、朝日新聞社、ソネット・メディア・ネットワークスの3社は12日、ビジネスマンや富裕層に特化した広告ネットワークサービスを2009年4月から開始すると発表した。ビジネス情報などを配信する8つのWebサイトで、閲覧者の行動履歴を元に広告を配信。「暗いニュースが多いメディア業界に一石を投じたい」としている。

ビジネス層に特化した広告ネットワークサービス「ビジネスプレミアムネットワーク(BPN)」参加メディア

新サービスの名称は「ビジネスプレミアムネットワーク(BPN)」。米国などで主流となっている、類似する分野の専門サイトをネットワーク化して広告を配信する「バーティカル(垂直型)アドネットワーク」を実現。「サイトスケールが小さかった専門サイトが競合の枠を超えてスケールの大きな広告メディアを作る」ことを目的としている。

さらに、「行動ターゲティング」技術を採用。閲覧者の最新の行動履歴を元に、ユーザーの興味別にターゲットを絞って広告配信を行う。

参加予定サイトは、「Reuters.co.jp」「asashi.com」「時事通信社」「Diamond Online」「AFPBB」「プレジデントロイター」「東洋経済オンライン」「CNN.co.jp」の8つのWebサイト。

朝日新聞社 デジタルメディア本部 本部長の大西弘美氏

サービスの企画・戦略は、トムソン・ロイター・ジャパン、朝日新聞社、ソネット・メディア・ネットワークスが担当。ネットワークのプラットフォームは、広告ネットワークで実績のあるソネット・メディア・ネットワークスが提供する。

これらのサイト全体のユーザー属性は、男性ユーザーが82%、40代以上が70%。また、年収1,000万円以上の富裕層が20%以上、管理職以上が45%を占める。

8つのWebサイトの連携により、約3,000万人のユーザーに対し、富裕層・ビジネスパーソン向けに特化した広告を配信。「広告単価をポータル・コミュニティサイトなどと異なる高い広告単価で販売」。年間約3億円の売り上げを目指している。

トムソン・ロイター・ジャパン メディア事業部 ゼネラルマネージャーの楠山健一郎氏

12日に開かれた合同記者会見では、朝日新聞社 デジタルメディア本部 本部長の大西弘美氏が冒頭で「1社単独ではできないことを、他のサイトと協力することで可能にできる。今回の提携により、ライバル関係を超えて、メディア業界の新しい風になれるのではないか」とあいさつ。

トムソン・ロイター・ジャパン メディア事業部 ゼネラルマネージャーの楠山健一郎氏は、「今回のサービスは、3,000万人の富裕層・ビジネスパーソンにリーチできる、日本最大規模の垂直型アドネットワーク商品。専門サイトとしてのオンライン戦略を追求した結果だ。メディア業界は暗いニュースが最近多いが、業界に一石を投じる明るいニュースになる」と、その意義を強調した。

12日から広告枠の販売を開始、サービス開始は4月を予定。2009年4-6月期は、単価20%オフのキャンペーンメニューを用意しているという。