米Ciscoは5月12日(現地時間)、同社のビデオ会議システム「Cisco TelePresence」のラインナップに「TelePresence 500」と「TelePresence 3200」を追加した。

TelePresence 500は従来の大型ディスプレイパネルを1-3枚使用した大掛かりなものではなく、より低価格で省スペースな小規模事業者向けの製品となっている。もう1つのTelePresence 3200は大型パネル3枚を使用したTelePresence 3000の機能強化版で、2列目のシートを用意し、会議への参加人数を従来の6人から最大18人と3倍まで増やしている。

TelePresence 500

TelePresence 3200

TelePresenceはHD動画と高音質オーディオのネットワーク伝送をサポートしており、離れた複数拠点間でもあたかも対面で会話を行っているかのように会議を行える。まず3面ディスプレイを用いたTelePresence 3000がリリースされ、後に1面のみでの配置が可能なTelePresence 1000がリリースされた。今回発表されたTelePresence 500は、37インチディスプレイのみの構成というさらに省スペースなデザインとなっており、会議室以外のスペースにも配置が可能なより汎用性の高い製品となった。ディスプレイにはテレビ会議用のカメラとマイク、スピーカーが内蔵されているが、TelePresenceとして使用しない間は通常のPCのセカンダリディスプレイとして利用できる。またCiscoのDigital Signageシステムの一部として、広告やビデオ映像のストリーミングを常時流しておくことも可能。標準構成価格は従来のTelePresence 1000の半額近い3万3900ドルという設定となっており、2008年第3四半期より出荷開始される。

TelePresence 3200は同3000の機能拡張版にあたり、従来のディスプレイ前の6人掛けシートとテーブルに加え、新たに2列目のシートとテーブルが追加され、合計で18人が1つのテレビ会議に参加できるようになった。Ciscoでは大規模会議室やセミナールームでの研修、集合ミーティングなどの用途を想定しているという。TelePresence 3200の標準構成価格は34万ドルで、TelePresence 3000ユーザーには3200へのアップグレードキットが9万ドルで提供される。出荷時期はTelePresence 500と同様、2008年第3四半期を予定している。

Ciscoは4月21日(現地時間)に、米通信キャリア最大手のAT&Tと共同で「Intercompany Cisco TelePresence for Businesses 」という提携を発表した。これはTelePresenceを各企業に配置する末端のエンドポイントとし、AT&TのIPネットワークを介してVPN通信を行うことで、同一社内だけでなく、パートナーや顧客ユーザーなど、他社のTelePresenceシステムとの相互接続を可能にするサービスだ。今回のTelePresence 500の発売により、Intercompany Cisco TelePresenceを利用した世界規模での企業間の商談やミーティングを行うシステムの構築がより容易になった。