米Sun Microsystemsは3月18日(現地時間)、仮想化デスクトップ管理ソフトウェアの最新版「Sun Virtual Desktop Infrastructure(VDI) Software 2.0)」を発表した。同日より提供が開始され、SunのVDIページよりソフトウェアのダウンロードが可能。1同時接続ユーザーあたりの年間ライセンスは149ドルで、パッチ配布などの基本サポートが提供される。VDI 2.0の利用により、ユーザーは企業内インフラやリモート環境の好きなマシン上から仮想化デスクトップの呼び出しが可能になるほか、仮想化デスクトップ上で実行されるバーチャルマシン(VM)の集中管理が行える。

VDI 2.0は、Sunの仮想化(バーチャライゼーション)技術「xVM」シリーズの一部。xVMには管理ソフトウェアの「xVM Ops Center」のほか、サーバ仮想化を実現するハイパーバイザの「xVM Server」、独InnoTek買収で獲得した「xVM VirtualBox」などが含まれる。VDI 2.0ではシステム管理者がユーザーの役割に応じた仮想化デスクトップ環境を複数定義し、1ヶ所にプールできる。このようにプールされた仮想化デスクトップのVMは、LAN/インターネットなど中継となる通信環境、PC/シンクライアント(含むSun Ray)など接続元となるマシンの種類を問わずに好きな場所から暗号化通信で呼び出すことが可能。例えば「経理向け」「エンジニア向け」などの仮想化デスクトップを用意しておくことで、接続要求を出したユーザーの属性に応じたイメージを展開する。この仕組みのメリットはローカルディスクにすべてのソフトウェアやOSをインストールせずに業務に必要なデスクトップ環境を再現できることで、通常のデスクトップ環境と比較して稼働状況の把握や管理が容易な点が挙げられる。また管理者は仮想化デスクトップの定義だけでなく、設定変更や廃棄、アップデートまで、ポリシーに応じて一連のライフサイクルを管理できる。

バーチャルデスクトップでサポートされるOSはSolaris、Windows、Mac OS X、Linuxなど。VDI 2.0ではVirtual Desktop Connectorが新たに提供され、サードパーティが提供する仮想化環境との統合が可能になっている。また2月に発表されたVMwareとの提携を受け、VMware Infrastructure 3上でVDI 2.0がサポートされる。