警察庁はこのほど、不正アクセスやネット上の詐欺など、いわゆる「サイバー犯罪」に関連した2007年の逮捕・書類送検(検挙)数が、前年比1,048件増の5,473件になったと発表した。だがこのうち、ネットバンキング関連事件の検挙数はわずか4件と、同庁が同事件発生を把握した113件を大きく下回っており、格好の"標的"となっていることがうかがえる。

サイバー犯罪関連の検挙数は、2001年以来7年連続で過去最多を更新した。2007年の検挙数のうち、不正アクセス禁止法違反は1,442件で、前年の703件に比べ倍増した。このうち、犯罪の対象分野別に見ると、ネットオークション関連が1,178件で最も多く、続いてオンラインゲーム171件、ネットバンキング4件などとなっている。

ネットバンキングに関しては、検挙件数4件に対し、事件の発生を警察庁が認識した「認知件数」は前年比74件増の113件となっており、認知件数に対する検挙件数の割合である検挙率は3.5%と、極めて低くなっていることが分かる。

また、不正アクセス禁止法違反を犯行手口別に見ると、フィッシングによる個人情報入手が前年比937件増の1,157件と急増。また、暗証番号などの個人情報を不正に流出させるスパイウェアを利用する手口も55件あった。

不正アクセス以外の検挙数では、ネットオークションで商品をだまし取るなどの詐欺が1,512件(前年比5.3%減)、児童買春禁止法違反が551件(同19.0%増)、青少年保護育成条例違反が230件(同17.3%増)などとなっている。