Yahoo!は17日(米国時間)、OpenID 2.0デジタルアイデンティティフレームワークをサポートすると発表した。同社の提供している2億4,800万のYahoo!アクティブユーザが自分のYahoo! IDをOpenIDとして使えるようになる。OpenIDは汎用的に活用できる個人認証システム。特定のサービスにしばられることなく、ほかのサービスにおいてもOpenIDに対応していれば同アカウントをログインアカウントとして使えるようになるという特徴がある。

WebアプリケーションやWebサービスの普及にともない、作成すべきユーザアカウントとパスワードの数は飛躍的に増えた。こうした状況のなか、毎日使っているすべてのWebサービスのアカウントとパスワードを覚えているだろうか。便利なサービスが増える度に、覚えるべきアカウントとパスワードは増えつづけている。

しかもアカウントの作成時には個人情報の入力を求められることが多い。サービスが増えるごとにどこかに個人情報を書き込んでいるのが現状というわけだ。そこで、単一のアカウントで複数のサービスを利用するシングルサインオンの登場だが、同一ベンダ内で閉じており、複数のベンダをまたがることができないでいた。OpenIDはベンダ内にしばられず多くのサービスで利用できるものだ。OpenIDが2007年に一気に注目されるようになった背景にはそうした理由がある。

同発表によれば現在インターネットで活用されているOpenIDは1億2,000万ほど。Yahoo!が新たに2億4,800万のOpenIDを追加することで、OpenIDの総数は3億6,800万ほどになる。これは現在使われているOpenIDの数の3倍にあたるものだ。同社は1月末からパブリックベータを公開する。Yahoo! IDのOpenID対応で、インターネットにおけるシングルサインオンは一気に加速することになりそうだ。