――それでは、新しい競合はどうでしょうか。米Appleの「iPhone」をどう見ていますか?

Forsyth氏:Appleの動きを真剣に見ていますが、現在のところ、実質がないマーケティングと見ています。たとえばiPhoneは3Gをサポートしていません。一度でもHSDPAを利用して携帯電話でGoogle Mapsを利用したことがある人は、2GのiPhoneは許容できないと思います。これは大きな制限となるでしょう。そういった点からも、iPhoneはAppleファンなどの一部のユーザー層に向けた端末にとどまると思います。

米Appleの「iPhone」

確かにiPodは成功しましたが、これまでAppleは市場を作る立場にありました。iPhoneでは、すでにある携帯電話市場に参入することになります。この市場にはすでにルールがあります。たとえば、非常にセグメント化された市場だということです。

今年リリースされた端末を見てください。2001年時点ですでに、トップ5の端末メーカーは年間約12機種を投入していました。各社平均して毎月1台です。2006年、トップ5ベンダーは平均して1週間に1.5台を投入しました。これは市場全体の成長と、セグメンテーションが進んでいるという2つのことを示唆するものです。

日本でもそうであるように、携帯電話は非常に個人的な端末です。みな、他の人と同じものはいやだと思っています。このルールが分かっていなければ、市場のほんの一部にしかアピールできないということになります。