The PostgreSQL Global Development Groupは8日(米国時間)、次期PostgreSQLへ向けた最初のβリリースとなる「PostgreSQL 8.3 Beta 1」を発表した。PostgreSQLはC言語で開発されたオブジェクト-リレーショナルデータベース管理システム。The BSD Licenseのもとで提供されているプロダクトで、オープンソースソフトウェアで提供されているRDBMSとして代表的なものの1つとされている。

8.3 Beta 1ではこれまでのリリースでは提供されていなかった多くの機能改善/追加が実施されている。まず、コンシステンシ、HOT、ロード分散チェックポイント、JIT bgwriter、非同期コミット機能やそのほか多くの機能において大幅なパフォーマンス改善が実現されている。また、シンタックスの改善とカスタム辞書の簡易追加機能を実現したコアコードへのTSearch2全文検索機能の統合、SQLにおけるXMLシンタックスのサポート、データベースで読み込み可能なCSVファイルへのロギング機能、キャッシュプランの自動リビルド機能、ENUMやUUIDまたは複雑な型の配列のサポート、GSSAPIおよびSSPI認証機能のサポートなどが実現されている。このほか多くの機能が追加されている。

こうした新機能を搭載したPostgreSQL 8.3をリリースにまで漕ぎ着けるにはユーザコミュニティによる試験と報告が欠かせないとし、できるかぎり試験を手伝って欲しい旨を報告している。試験には、インストール試験、設定試験、新しい機能の試験(単体試験、組み合わせ試験)、以前のバージョン向けに開発したアプリケーションの移植実験、ほかのデータベースツールとの統合試験、新しいデータベースを使ったパフォーマンスチェック、Windowsデベロッパの場合は新しいVisual C++サポートのチェックなどがある。余裕があるデベロッパは新機能をチェックして結果を報告するといいだろう。特にPostgreSQLは日本の開発関係者やユーザが多いことでも有名。関係者は同バージョンへの調査と試験を開始されたい。