SRA OSS日本支社は13日、PowerGresブランドの新製品「PowerGres + security」を発売することを発表した。PowerGresは、PostgreSQLをベースに開発されたデータベース製品群。今回発表されたPowerGres + securityは、NTTデータが開発した「PostgreSQL認証版」をパッケージ化したもので、セキュリティ機能が強化されている。

NTTデータ 基盤システム事業本部 オープンソース開発センタ 技術開発担当 部長 田中一男氏

PostgreSQL認証版は、今年4月にNTTデータがBSDライセンスの下に公開したオープンソースのデータベース。PowerGres同様、PostgreSQLをベースに開発されている。セキュリティ機能を強化している点が最大の特徴で、セキュリティ評価の国際標準規格ISO/IEC 15408に基づくITセキュリティ認証を取得している。ISO/IEC 15408の取得は「オープンソースのデータベースとしては初めてのこと」(NTTデータ 基盤システム事業本部 オープンソース開発センタ 技術開発担当 部長 田中一男氏)だという。経済産業省による「情報基盤税制」の対象製品に指定されており、PostgreSQL認証版を使用すると税制上の優遇措置を受けることもできる。

PowerGres + securityは、PostgreSQL認証版にサポートを追加したサブスクリプションパッケージになる。同パッケージを購入すると、8年以上の実績を持つSRA OSSのPostgreSQLサポートサービスを1年間受けられる。サポートの内容は主にQA対応と障害対応で、価格は210,000円。プロダクトは、CD-ROMで配布される。

SRA OSS マーケティング本部 部長 稲葉香里氏

「オープンソースソフトウェアが商用製品に劣っている点として第一に挙げられるのがセキュリティ」(SRA OSS マーケティング本部 部長 稲葉香里氏)であり、PowerGres + securityはその弱点を埋める製品として期待されている。これまでPostgreSQLがリーチできていなかった、顧客情報や経営情報を取り扱うシステムでの利用が見込まれ、SRA OSSでは「PostgreSQL市場の拡大につながる製品」と自信を覗かせている。

また、同社は今回の発表に併せて、PowerGresのエントリ製品「PowerGres on Windows」「PowerGres on Linux」およびミッドレンジ製品「PowerGres Plus」をリニューアルしたことも発表した。

V5となる新版では、PostgreSQLの最新版「PostgreSQL 8.2」に対応。性能の向上などが実現されている。加えて、障害対応などのサポートを受ける際に伝える必要がある各種の情報を自動的に収集する「サポートアシストツール」や、WindowとLinuxで共通のUIを実現した新たな管理ツールなども追加されている。

今回リニューアルしたV5製品群は、9月13日より販売開始。10月1日より評価版のダウンロードが可能になり、10月10日より製品の出荷を始める。