日本ネットワーク・アプライアンスは7日、中堅企業向けのネットワーク・ストレージの新製品「FAS2000シリーズ」を発売した。従来のエントリ・モデル「FAS200シリーズ」の後継製品となる。最大容量24TBの「FAS2020」は347万7,000円から、最大容量69TBの「FAS2050」は427万5,000円から(いずれも最小パッケージ構成時の参考価格)。

米Network Appliance ネットワーク・ストレージ部門 シニア・バイスプレジデント兼ジェネラル・マネージャー リチャード・クリフトン氏

従来のFAS200シリーズと比較して、ストレージ容量を最大で4倍以上に拡大。ディスクドライブには、最大転送速度300MB/sのSAS(Serial Attached SCSI)を採用。SAS HDDの採用は同社製品では初めてだという。また、価格はFAS200シリーズとほぼ同等に抑えられている。

概要説明を行なった米Network Applianceのネットワーク・ストレージ部門 シニア・バイスプレジデント兼ジェネラル・マネージャーのリチャード・クリフトン氏は、従来同社として対応が相対的に手薄だった「100~1000名規模の中堅規模で、IT部門はあってもストレージの専門家はいない企業」を主なターゲットとして挙げる。また、競合企業の同等クラスの製品と比較すると、「データ保護機能のレベルで大差をつけており、ファイバチャネル、iSCSI、NFS、CIFSの全プロトコルに対応している点も優位点」だという。さらに、VMwareとの密接なパートナーシップを確立していることを紹介し、「仮想サーバと組み合わせて活用できる仮想化対応ストレージ」だとした。

日本ネットワーク・アプライアンス マーケティング部 部長 阿部恵史氏

さらに補足説明を行なった同社のマーケティング部 部長の阿部恵史氏は、同社の製品がエントリ・モデルからハイエンド・クラスまで全て同一のアーキテクチャに基づくことを紹介し、一度憶えた操作法の知識や運用プロセスが継続的に有効である、といったメリットを強調した。製品の位置づけに関しては、従来のFAS200シリーズと、その上位に当たるFAS3000シリーズとの間には最大容量等の面で大きなギャップがあったとし、FAS2000シリーズによってこのギャップが埋まるとした。さらに同氏はFAS2000シリーズの狙いについて、「シングル・アーキテクチャの利点を最大限に活かし、ハイエンド・フラッグシップ・ストレージで実証済みのアジリティを低コストで実現する」としている。

ネットアップ製品の特徴

新製品の位置づけ

FAS2000シリーズの主な仕様は以下の通り。

製品名 最大ストレージ容量 ヘッドユニット内最大ディスクドライブ数 システムあたりの最大ディスクドライブ数 ECCメモリ 対応ストレージプロトコル
FAS2020 24.6TB 12 40 2GB FCP、iSCSI、NFS、CIFS
FAS2050 69TB 20 104 4GB FCP、iSCSI、NFS、CIFS

なお、FAS2000シリーズはIBMから"IBM N3000"シリーズとして全世界で再販されることが決まっているという。

FAS2020の外観