サイボウズ・ラボ 代表取締役社長の畑慎也氏

サイボウズ・ラボは8日、アクセスログ共有サービス「Pathtraq」(パストラック)を同日より公開したことを発表した。同サービスでは、Webブラウザのプラグインとして組み込んだPathtraq用モジュールにより、ユーザーのアクセスログをPathtraqサーバへ自動送信。その情報を基に各Webページのアクセス状況を解析してPathtraqのWebサイト上で公開する。

PathtraqのWebサイトでは、人気ページ・ランキングが表示されるほか、特定ページに対して「どこから来て、どこに行くケースが多いのか」などを調べることができる。各ドメイン内で人気ページ・ランキングを表示しているケースは多いが、それらをサイト横断的に行うものは現段階ではほとんどないため、ある程度の参加者数が集まれば、マーケティングや動向調査を行ううえでも重宝しそうだ。

PathtraqのWebサイトに表示される解析情報の例

サイボウズ・ラボ 代表取締役社長の畑慎也氏は、同サービスの意義について、「Webサイトを検索する仕組みが、手動設定のティレクトリ・サービスからGoogleなどの検索エンジンに変わっていったのと同等の効果を、情報共有の分野においてもたらすことになる」と説明する。現在、情報共有(人気ページの検索)の手段としては「はてなブックマーク」や「del.icio.us」のようなソーシャルブックマークが利用されるケースが多いが、これらはいずれもユーザーが手動で設定しなければならない。それに対し、Pathtraqでは、Webブラウザの拡張機能がアクセスログを自動的に収集し、その結果が自動的に反映される。したがって、従来よりも多くの情報を取り込めるうえ、ソーシャルブックマークなどを利用したことがない初級Webユーザーの行動も反映させることができる。「これまで表に現れることがなかった"サイレント・マジョリティ"の声が取り込める」(畑氏)というわけだ。

Pathtraqは情報共有の自動化という変革をもたらす

ユーザーがインストールするPathtraq用モジュールは、FirefoxとInternet Exprolerの2種類が用意されている(こちらのサイトからダウンロードできる)。それ以外のWebブラウザでは、アクセスログを送信することはできないが、解析結果を閲覧することは可能だ。なお、ログ収集機能はユーザー側で一時的に停止させることもできる。

Pathtraqではプライバシーについても考慮されている。アクセスログは統計情報の算出にのみ利用され、ユーザーの行動を追跡するようなことは行っていない。また、IPアドレスはスパーマー対策のために1時間だけサーバのメモリ上に格納されるが、その後は自動的に消去されるという。

サイボウズ・ラボでは、1ヶ月で1万人の参加(Pathtraq用モジュールのインストール)を目標にしている。