IBMは14日、中堅/中小規模企業向けのブレードサーバの新製品「IBM BladeCenter S」を公開した。2007年第4四半期に出荷を開始する予定。

BladeCenter Sは、サーバやテレフォニーサービス、アンチウィルスソフトウェアなど、中堅/中小企業のビジネスに必要なさまざまなテクノロジーを統合し、デスクトップにも設置可能という小サイズの筐体にまとめたもの。"S"は"Small"の意味だと思われる。また、電源も110V(US)もしくは100Vに対応し、一般のオフィスの電源コンセントに接続可能だという。

アンチウイルス/ファイアウォール、VoIP、電子メール、コラボレーションツール、システムのバックアップ/リストアやファイル管理、印刷用アプリケーションといったビジネス用途で一般的に使われる機能を1台に統合でき、さらにストレージと最大6台のブレードサーバーを同時に管理することができる。

システムの初期セットアップは、デスクトップPCと同程度の手間で済むという。ウィザードを利用した管理ツールにより、ユーザーはブレード・サーバーを文字通りシステムに差し込み、システムの電源コードをつなぎ、"エクスプレス"インストール機能による、かんたんな選択クリック方式で構成を設定できる。

IBMのBladeCenter担当バイスプレジデント兼ビジネスラインエグゼクティブのアレックス・ヨースト(Alex Yost)氏は、以下のようなコメントを寄せている。

「リソースに制約のある急成長中の企業は、テクノロジーの進歩をどのように活用すればコストを増加させずに競争優位を確立できるか、という課題に取り組んでいる。IBMが小規模オフィス環境や支店向けのBladeCenterの開発意向を表明したことで、中堅/中小企業はシステムの簡素化やサーバー統合といった、これまでは大企業のみが享受してきたブレードの恩恵を、企業規模に合わせて最適化された形で享受できるようになる。IBM BladeCenterは、オープンで環境にやさしく容易なIT統合を求めるユーザーに最適だ」

一般的なブレードサーバは、19インチラックに搭載することを前提に設計されたシャシーとサーバブレードの組み合わせで構成される。電源も、ラック搭載を前提とした200V以上の電源を使用するのが一般的で、専用のマシンルームでの運用が必要となる。具体的なサイズが明示されていないが、机上におけるほどのサイズで100V電源で稼働するというBladeCenter Sのコンセプトは、たしかかにこれまでにない新しいアイデアだといえるだろう。

"机に載るブレード" BladeCenter S(出典: IBM)