米Oracleは4月16日(現地時間)、Oracle Applicationsをベースにしたソリューション展開を容易にする新アーキテクチャ「Application Integration Architecture(AIA)」を発表した。OracleではAIAをベースに業界別ソリューションをパッケージ化した簡易展開モデル「Process Integration Pack」も発表しており、パートナー企業等がBPELや共通オブジェクトモデルといった標準技術を使って自社製品やソリューションをProcess Integration Packと組み合わせてビジネスを展開する仕組みも提供する。

AIAは、現在米ネバダ州ラスベガスで開催されているOracleのユーザーカンファレンス「COLLABORATE 07」において、事前まで「Porject X」の名称で目玉トピックとして発表を計画していたもの。

同社のPartnerNetwork Applications Integration Initiative(AII)向けの施策として、これらパートナー企業がOracle Applications製品を使ってシステムインテグレーション(SI)する際のビジネス機会を広げることを目的とする。AIAにより、従来までOracle Applications製品を絡めてのシステム統合を行う場合、ポイント・ツー・ポイントでアプリケーション同士を接続するか、あるいはFusion Middleware等のSOAスイート製品を使って接続するかの2通りの手段が用意されていたが、AIAはアプリケーション連携のための第3の手段となる。

AIAでは、E-Business SuiteやPeopleSoft、JD Edwards、Siebelなど、各種のアプリケーション製品に業界別ソリューションを付与するパッケージ済みの製品が「Process Integration Pack」の形で提供される。例えば、OracleではAIAの発表と同時に「Siebel CRM On Demand Integration Pack for Oracle E-Business Suite」と「Siebel CRM Integration Pack for Oracle E-Business Suite Order Management」の2つのパッケージの提供を行っている。SI事業者やユーザー企業はこれらパッケージを利用することで、Siebel CRM On DemandからE-Business Suite上のデータを参照したり、特定ビジネスプロセスの起動が可能になったりと、複雑なアプリケーション同士の連携がシンプルに行えるようになる。パートナー企業は、自身の製品やサービス、そしてカスタムコードをAIAと組み合わせることで、ソリューション展開の高速化と、各種管理/サポートの提供がより容易になる。

OracleはE-Business Suite以外にも、他のOracle Applications製品や特定コンポーネントをSiebel CRM On Demandと連携させるパッケージの順次リリースを予定している。