消費電力(グラフ120~125)

最後にこれについてちょっと調べてみた。まずグラフ120だが、AMD FX-8150について、Turboを切った状態で動作周波数を1.4GHz~4.2GHzまで変化させつつ、各々における待機時消費電力と、Sandra 2011 SP1でDhrystone(Int)とWhetstone(Float)を実施した際の消費電力をプロットしたものだ。3.8GHzまでは200MHz刻み、3.9GHHzからは100MHz刻みにしている。ちなみに1.4GHzが下限なのは、Idle時の動作周波数がこの1.4GHzだからで、逆に上限はこの上(4.3GHz)にしたらブルースクリーンが発生したためである。おそらく水冷キットを使えばもう少し上まで引っ張れると思うが、テスト時は空冷で行った関係で、ここまでである。

さて面白いのは、1.4GHz~3.8GHzまでは割りと単調に増加していることである。もう少し判りやすくするために、IdleとInt/Floatの差をとったのがグラフ121である。このグラフを元に、1.4GHz~3.8GHzまでの数値を直線近似させたのがグラフ122である。動作周波数が0であっても、38W程度の消費電力が発生するということで、要するにこれがClock Gating/Power Gatingを行わない場合のBulldozerのStatic Powerということになる。一方のDynamic Powerは近似直線の傾きから、Intの場合で22.7W/GHz、Floatの場合で20.2W/GHzという計算になる。4つのModuleでこの数字だから、1Module(=2コア)だとそれぞれ5.7W/GHz、5.1W/GHzといった数字になる。直接的に比較できるわけではないが、Sandy Bridgeでテストした時には、Core i7-2600KがHT有効で14.8Wという計算だった。これは3.4GHz駆動での計算だから、1GHzあたりのコア1個でのDynamic Powerは4.4W/GHzほどになる。5.7W vs 4.4WだからAMD FXは3割ほどActive Powerが多い計算になるが、まぁでも差はその程度でしかないという言い方もできるだろう。