フルーツとクレープのカスタードプリン、スーベニアカップ付き (C)Disney

東京ディズニーリゾート30周年を祝うイベント「ザ・ハピネス・イヤー」。パーク内のデコレーションやパレードだけではなく、食でもその盛況感を体験してもらいたい――。そんな思いを実現するために、30周年のモチーフ「ハピネス・バルーン」をイメージしたメニューやスーベニア、「30」にちなんだメニューなど、今だからこそ楽しめる料理が提供されている。

30周年ならではのメニューはどのようにして生み出されたのか。前回に引き続き、フード企画室フード企画グループ後藤一輝さんと、フード仕入開発部フード開発グループ増田博史さんにお話を伺った。

30周年スペシャルメニューが目指したもの

――フードで節目の盛況感を表現するにあたり、特にこだわった部分はありますか?

増田さん 30周年のコンセプトである「ハピネス」、そしてそのハピネスを「シェア」するという行為を食に置き換えた時、「何年か前にもこういうフードメニューを食べたよね」というように、食事をしながら思い出をシェアするシーンを考えました。そこで、東京ディズニーランド内にある「クリスタルパレス・レストラン」で、現在の2つのパークの人気メニューや過去のメニューをブッフェスタイルで提供することにしました。

スペシャルブッフェでは、パーク内の様々なレストランメニューを一度に楽しめる (C)Disney

周りの人とシェアできるアニバーサリーケーキ (C)Disney

実現に向けて、大変な部分も多々ありました。メニューの開発数は24種にも上り、1店舗で24メニューというのは、今までで一番多い数です。メニューが多いということは、その開発負荷が大きいだけでなく、店舗でもオペレーション方法など覚えなくてはいけないことも格段に増えます。それでも、開発メンバーを始め、現場のキャストたちの「最高のハピネスを届けたい」という思いがあったからこそ具現化でき、ゲスト満足や収益にもつながりました。

――タピオカドリンクやグミキャンディーなど、「ハピネス・バルーン」をモチーフにした商品展開にも力が入っていますよね。

増田さん そうですね。特に、グミキャンディーは食べ歩きスイーツに初めて取り入れました。商品自体がカラフルで、「ハピネス・バルーン」との親和性が一番高く、ゲストに視覚的に認知してもらいやすいアイテムだと思います。

バルーンをイメージしたスーベニアケース (C)Disney

食べ歩きスイーツでは初! グミキャンディー (C)Disney

後藤さん そういうメニューをどこで売るかも大きなポイントです。ゲストのパーク平均滞留時間は9時間に届く長さですが、その中で発生する喫食ニーズをいかに満たすのか。これは、われわれの大きな課題です。ゲストが「今何かを食べたい」と思った時にすぐに買えるものや場所を提供するため、ワゴン店舗を中心に販売チャネルを選定しました。

――今回の30周年イベントを通じて、どんな成果がありましたか?

左から増田博史さん、後藤一輝さん

増田さん 食の体験価値を上げることはもちろん、できるだけ多くの来場者に30周年をフードメニューから感じてもらいたいと、メニュー・スーベニアの内容や販売店舗を検討しました。正直な話、これまではデコレーションやエンターテインメント、お土産で「周年」のスペシャル感を感じてもらうことが多く、フードでその機会を増やせばまだまだゲストに喜んでいただけると実感していました。

今回、30周年を感じるのに適しているメニューとは何か、それを表現するのに最適な店舗はどこかなど、細かく計画立案した結果、過去の周年イベント時よりもフードを通じて節目を感じてもらえたのではないかと思います。実際、こちらが思い描いていたようにクリスタルパレス・レストランを体験したゲストから、「以前食べたメニューをお皿の中でそろえられてうれしかった」という感想が寄せられた時は、本当にうれしかったですね。

後藤さん 今後も東京ディズニーリゾート全体のイベントやキャンペーンがあった時に、フードとしてそういった盛り上がりといかに連動できるかが鍵だと思っています。

ただ、今回の目玉であるクリスタルパレス・レストランに関して反省点を挙げるとすれば、人気が出すぎたことで待ち時間が長くなってしまったこと。来年度は予め指定した時間にレストランに来ていただき、優先的に席へご案内する「プライオリティ・シーティング」を導入する予定です。顧客満足度と利益を最大化するため、メニューだけでなく、店舗設計やオペレーションなど、常に「ゲスト体験価値の向上」を目指し施策を模索しています。

※次回は営業担当が登場します。(2月2日更新予定)